小樽市美術展覧会運営委員会(島常雄委員長・通称:市展委員会)は、70周年記念事業に関連して、10月19日(水)から23日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室で、市展委員65名の作品を展示する、70周年記念市展委員展を開催している。
市展は、小樽市文化祭よりも歴史が古く、1947(昭和22)年に始まり今日まで開催を続け、市の文化祭を盛り上げ、多くの市民を楽しませている。市展の審査を務める市展委員は現在67名で、そのうち65名の油彩・水彩・日本画・版画・工芸など、得意な分野で納得できる作品やお気に入りの作品、思い入れの作品など、より選りの作品が集まった。
F100号の大作が多い中、島委員長の油彩「祭り・まつり」は、さらに大きいF150号に、祭りを楽しむ大勢の人々の華やかな様子が描かれ、2010(平成22)年に道展に出展し佳作を受賞。市内では初めての展示となる。
日本画家・上田入子さんは、度々作品のモチーフにしている「ほうの木」を、岩下寿男さんは、独特の青の世界に港を描いた油彩「遠い日の風景・消される記憶」を展示。作家の特徴ある作風が表現された作品が多いことも、見所のひとつとなる。
また、70周年に合わせ「小樽市美術展覧会七十周年記念誌」を、市展の会期中の表彰式に合わせ、10月8日(土)に発行した。記念誌の撮影や編集は、すべて市展委員が務めた。掲載者をはじめ、市内の小中学校や高校、市内外の美術関係団体に寄贈する予定。
記念誌は、第40回目から始め、10年ごとの節目に発行し4冊目となる。600部・A4判・80ページで、市展委員作品66点、70周年記念展受賞作品と入選作品117作品をすべてカラー写真で掲載した。
第1回目から70回目まで開催された市展の場所や応募作品数・受賞者や審査員名。プログラムやその様子を写真で掲載し、70年の足跡を辿る。応募作品数を見ると、第35回前後が200点以上とピークを迎え、人口減少に伴い出展数にも影響が出ている。
2015(平成27)年12月12日、70周年の節目に合わせ、各分野を代表する市展委員10名が参加して座談会が開かれ、「市展の歩みと未来に向けて」と題して語り、今後の課題に触れた内容も掲載している。
小樽の美術を担う市展委員の作品や活躍中の芸術家達の作品を、記念誌からも鑑賞することができる。
島運営委員長は、「市展委員になることは、作品を描き続け自分なりの個性が自然に出てくる。新作や思い出、それぞれが納得した1点を出展している所など、会場で楽しんでもらいたい。市展の出展者数の減少傾向は否めない。市展を今後充実発展させるために運営委員会を開き、今後の市展について課題や将来を見通して、若い方々の出展を工夫していきたい」と話した。
記念誌は数に限りがあるが、希望者には1冊1,000円で配布している。問合せは、島常雄運営委員長まで(0134-22-6822)。
なお、同館1階市民ギャラリーでは、高校美術部の作品が集まる、第11回小樽ユース展も同時開催中。
小樽潮陵高校・小樽桜陽高校・北海道高等聾学校・とわの森三愛高校の22名の油彩・アクリル・デッサン・木彫・立体・鉛筆画の23点を展示。友人をモデルにしたり、高校生ならではの若い感性が作品に活かされている。
70周年記念委員展 10月19日(水)~23(日)10:00~17:00(最終日16:00)
市立小樽美術館2F企画展示室 入場無料
第11回小樽ユース展 10月19日(水)~23(日)10:00~17:00(最終日15:00)
市立小樽美術館1F市民ギャラリー 入場無料 23日13:00から講評会
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