小樽市議会は10月7日(水)、決算特別委員会(林下孤芳委員長)3日目を迎えた。7日は、厚生・建設 両常任委員会所管の事項について質疑したが、6日に引き続き、参与に関する質問が相次いだ。
森井市長の堤参与の任用は、堤正和氏が高度な知見を有するということに根拠を置いているが、民進党・高橋龍議員は、「地域総合除雪については、現場職員は情報共有しており、作業内容について、皆が解っているということではないか?職員は、参与がいなくても前進できるのではないか?」との問いに、市側は、「職員は皆、作業内容は解っているが、堤参与には経験値が加わっている」と答弁。
これに対し、「今、参与がいなくて何か困っているのか?」を質すと、「降雪期にはアドバイスがあったが、今は雪が降っていないので答弁は困難である」趣旨の回答を行った。高橋議員は、これを受けて、「すでに今、今冬の計画を立てる重要な時期だが、参与がいなくても困っていないと確認した」と指摘した。
堤参与については、当初市政全般のアドバイザーと説明されていたものが、平成27年10月の総務常任委員会から、主に除排雪のアドバイザーにすり替わっていることに触れ、参与の雪の業務にかかるウェイトの割合を尋ねたが、建設部として答弁は困難である答えた。
「今年3月の予算特別委員会でも、森井市長は除排雪のアドバイスに比べれば相当少なかったのは事実と答弁している」と指摘すると、森井市長は、「堤参与は、4年間雇うつもりであったもので、1年目は結果的に除排雪のアドバイスが多くなった」と答えた。
また、成果物として堤参与から提出された「業務のまとめ」が、今後十分に生かされる内容のものであり、堤参与でないと思いつかない内容だったかを質問したところ、市側は「今後の除排雪の取り組みに寄与するものが多々あった。参与でなければ思いつかないものだとは思わないが、高度な考えを有する人が残したものだと認識している」とした。
高橋議員が、参与から良いアドバイスを受けた職員に挙手を求める場面もあったが、雪対策課長以外で手を挙げる職員はいなかった。
最後に森井市長に対し、なぜ、議員がこの参与の任用や報酬額を問題にしているのか認識を聞いたところ、森井市長は、「恐縮だが、私自身は問題だと思っていない。初の参与任用について、議員には直前の説明だったことなど反省点もある」という認識を示した。
自民党・中村吉宏議員は、市側が提出した、堤参与の記した『業務日誌』の中で、平成28年2月26日(金)の記録に、「高島の空家について相談(橋本建設社長)」と、記載されていることは、主に除排雪のアドバイザーだと市側が説明していることに照らすと、違和感を感じると指摘した。
市側は、「高島のところに1軒空家があり、雪止めが落ちそうで、外壁もかなり傷んでおり、そういったものについての相談だ」と回答。中村議員は「所有者からの相談か?」と質すと、市側は「近隣からの相談だ」と答えた。
自民党・鈴木喜明議員は、参与の任用にあたって、森井市長が「参与は権限のないアドバイザーという位置付けであり、副市長とは異なるものだ」との説明をしていたにも関わらず、堤参与の記した『業務日誌』からは、堤参与が森井市長とのホットラインにより、職員に指示を出したり、本来副市長が本部長である除雪対策本部において、除雪ステーションへ出向いて指示を出したりと、副市長の職務を侵して動き回っていたことが伺い知れることを指摘した。
また、「堤参与については、後援会の幹事長代行であるといった繋がりでお願いしたのではないかと思われる。これが後援会とは関係のない人であったら、また違った形であったと思う。これからもいろいろあると思うが、市長である以上、後援会の方と一定の距離を置いておくべきではないか」と指摘した。
参与の報酬予算に議会がノーを突きつけているにも関わらず、公金を支出し続けた上、参与が本当に必要であったのかどうか。後援会幹部を登用し、嘱託のまま30万円という、他の嘱託職員には望むべくもない高額報酬を支払い、職務内容にも疑問符が上がっている中、森井市長は、「恐縮だが、私自身は問題だと思っていない」とうそぶく始末で、今後も参与問題への追求が止まらない状況が続きそうだ。
◎H281007小樽市議会 決算特別委員会(3日目)1
◎H281007小樽市議会 決算特別委員会(3日目)2
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