北海道小樽水産高等学校(若竹町9・芹澤良通校長)は、10月21日(金)13:30から、小樽港第2埠頭8番バースで、長期乗船実習出港壮行式を実施した。全校生徒や保護者・学校関係者ら約500名が、航海安全を願って見送った。
実習船の北海道教育庁渡島教育局実習船管理室所属「若竹丸」は、楢崎造船で建造し平成9年3月に竣工。総トン数666トン・全長64.52m・幅10m。実習船の中で初めて500トンを超えた。同校での実習船としては今回が最後の航海となり、来年からは新造船若竹丸(685トン)に代わる。
澤田成彦船長はじめ乗組員23名と、同校本科海洋漁業科第2学年漁業コース22名と専攻科漁業科第1学年6名、指導教官3名が乗船。函館水産高校専攻科機関科の学生も同船した。
すでに学生達は、19日(水)に乗船し、12月6日(火)までの49日間、マグロ延縄漁実習体験を行う。
芹澤校長は、「この実習の目的は、実習船で漁業や船舶に関する知識や技術を習得し、船内での集団生活を通じて、人としての在り方等を学ぶことにある。49日間辛いことも多々あると思うが、仲間で助け合って乗り越えてもらいたい。実習を通じて、ひとりひとりが大きく成長するよう願っている」と激励した。
生徒会長の堀口照太君(3年)は、「乗船実習の準備は大変だったがこれからが本番。辛いことも沢山あると思う。長期実習で仲間と共にに生活することは、きっと言葉では表せないほどの貴重な経験になると思う。辛い時こそ仲間と協力し合い苦難を乗り越え、実りのある実習にしてください」とエールを贈った。
実習生を代表して谷口佳祐君は、「航海実習やマグロ延縄実習で、普段教室で体験できない技術や知識をしっかり身につけたいと思う。実習中はルールや指示に従い、お互い助け合い有意義な実習をして、ひと回りもふた回りも成長して帰ってきます」と決意を述べた。
その後、友人や家族らに激励され、実習生は乗船。デッキに整列して、色とりどりの紙テープがなびく中、暫し別れを惜しんだ。
同校・生物同好会メンバーも見送りに訪れ、仲間の名前を呼び激励の言葉を投げかけた。小倉凌部長(2年)は、「49日間の実習となり、無事に帰ってきてもらいたい」と安全を祈った。
船体はゆっくりと岸壁を離れ、汽笛を鳴らし方向変換して、函館港へ旅立っていった。
実習日程は、22日(土)朝に函館港に到着。外変(国内線から国際線に変更すること)の手続きをして、23日(日)に出港。ハワイ諸島南西海域では、マグロ延縄漁業実習を行う。11月14日(月)、ハワイ州ホノルル港に寄港。地元小学生と交流会を実施。小樽の雪が入った発泡スチロール40箱を持ち込み、ソリ遊びや雪だるまづくりを行う。観光施設等を訪問し、17日(木)に出港を予定している。
12月1日(木)、静岡県清水港で給油のために1泊。12月5日(月)に小樽港へ帰港し、一昨年から始めた小樽港での水揚げを予定。6日(火)に下船し実習は終了する。昨年は2トン弱の水揚げ。4月に市内のスーパーで、水産高校「元気マグロ」と名付け販売し、安価で美味しいと評判になっている。
◎北海道小樽水産高等学校HP
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