小樽市議会第3回定例会は、9月20日(火)13:00から予算特別委員会を開いた。
質問委員は、自民党中村吉宏、公明党松田優子、共産党高野さくら・川畑正美、民進党中村誠吾・高橋龍、新風小樽中村岩雄の各議員。
一般質問で議論となった、森井市長の後援会幹部が関係する観光遊覧船事業者が高島漁港区に建物の許可や港湾施設の利用の許可を受けていることに関し、自民党中村(吉)議員が浮桟橋を市が許可したことについて資料をもとに、市の考えを質した。
◎H280920 小樽市議会予算特別委員会1(1日目・中村吉宏、松田優子各議員)
まず、「今回、許可した観光事業者が設置する浮桟橋は、遊覧船に乗船するために使われるもの」との市側の説明に対し、中村(吉)議員は、分区条例では、漁船のための浮桟橋以外は規制されることを指摘した。
これに対し、市側は、「今回事業者が設置する浮桟橋は、水面のみで使用するものであるから、港湾法第37条により、港の利用や保全に支障を与えたり、港湾計画等の遂行を阻害することは無いため、水面占用を許可した」と説明。「分区条例は陸地の部分について規制するものなので、今回の浮桟橋は分区条例に規制されるものではない」とした。
中村(吉)議員は「浮桟橋とは、海上水面だけの話ではなく、陸上から客が船に乗るために利用される係留施設である。当然陸上にも関わってくるはずだ。だから分区条例で規制しているのではないか」との問いに、市側は、「あくまで水面占用の許可ということで、港湾法で許可した」と繰り返した。
◎分区条例 ◎港湾法 ◎浮桟橋 ◎係留施設
◎H280920 小樽市議会予算特別委員会2(1日目・高野さくら、川畑正美、中村誠吾、高橋龍、中村岩雄各議員)
民進党中村(誠)議員は、観光遊覧船事業者がUフックに観光船を係船していることに関して、市側が、「不適切と判断し、取り外すように指導しているが、現在もUフックが付いたままになっている」と答えたことに対し、「違法状態を是正してから許可を与えるべきだったのではないか?」と質した。
また、Uフックではなく、係船柱や係船環を付けることを許可の付帯条件にしているにも関わらず、事業者が是正しない現状について、「当面は大目に見るという付帯条件なのか?」と質すと、市側は「大目に見ているのではなく、何とか相手を説得している」と説明。
さらに、事業者の建物4棟について、9月6日に行われた建築確認申請の完了検査で、一部合格していないことを市が明らかにしたことに対し、「建築基準法の完了検査が一部合格していないのに、建物が既に使われている。このようなことを市民に説明できますか?」と問い質した。
市側は、「検査をした9月6日以前については、建物の使用を確認していないが、合格証が交付されるまでは建物を使用することはできないと伝えている」と答えた。
中村(誠)議員は、「この事業者は8月4日にオープンしており、それ以降大々的に営業をしている。そもそも完了検査が終わってないのに建物を使っている。完了検査が終わってないのに使って良いなどとドリームビーチにも、一般市民にもどのように説明するのか?本会議において、市長は全ての責任は私にあると言った。市長はドリームビーチの違法状態を徐却するまでは看過することが出来ないと言って、2年間徹底的にやってきた。今回のことは、過去からのことではなく、森井市長になってから起きたこと。責任の所在と是正についてどうあるべきと思うか?」と森井市長の答弁を求めた。
これに対し森井市長は、「原部の答弁を聞くと、現状を確認できていない状況だと思うので、私としては、早急に現状を確認し、もしそのような状況があれば、早急に改善を図っていく。また、本来であれば、完了検査を終えてから使用されることを鑑みると、その事前の使用状況において、市政として常々把握しておかなければならないと思う。その確認等について行き届いていていない実情もあると思うので、行政手続等でその確認の仕方を改めて行かなければならない。それが私自身が責任を取っていく内容だと思う」と答えた。
中村(誠)議員は、「法令違反行為が起きているということになった時、市長は全責任を取ると言ったのだから、取りますね?」と質したことに対し、森井市長は、「まず状況を確認することが早急だ。その上で職務として責任を果たしていかなければならないと思う」と答えた。 ◎関連記事1 ◎関連記事2
また、商工会議所が、新幹線新駅周辺のまちづくり策定会議に、委員として参画を求めているにも関わらず、市長が委員として参画させていないことに関し、民進党高橋議員は、森井市長が、商工会議所が変われば委員として参加させると発言したことに触れて、「具体的に、どのように変わってほしいと思っているか?」と尋ねた。
森井市長は、「変わってほしいと言った私自身の思いについては議会で答弁したが、具体的に何を変えるかということは、当事者自身が様々なことを踏まえて考えるべきことだと思う。私の方から具体的に『このようにすべき、ああすべき』と指摘することは、自分たちで自発的に変えたのではなく、変えさせられたという考え方にも結び付きかねない。それぞれの団体の中で考えてもらうべきことだと思う」と答えた。
これに対し高橋議員は、「どこを変えれば良いか、自分で考えろと言っているように聞こえる。また10月に会議があるが、商工会議所が『変わったから入れてほしい』という話になったらウェルカムなのか?」と聞くと、森井市長は「本人が変わったと言っても、状況を見てみないと、今は判断できない」と答えた。
「それでは、変わったということは、誰がどのように判断するのか?」との問い対して、「具体的な基準や考えがあるわけではない。意識的な変化もそうだが、体制や関わり方といった具体的な変化、様々なやり取り、協議をしている内容や発言によって感じるものが出てくればと思っている」と答弁した。
高橋議員は、「あのような発言をしたのだから、市長自身の中でもどのように変わってほしいのかを明確にしていなければならないと思う。そうでなければ、最初から参加させる意志が無いのではないかと見えてしまう」と指摘した。
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