小樽商業高校(緑3)の情報処理科3年生4名が、今年5月14日に開かれた経済産業省認定の国家資格「情報処理技術者試験・ITパスポート試験」に、1度の挑戦で見事合格を果たし、それぞれの日頃の努力が実を結び喜んでいる。
合格者は、同校情報処理科3年生の大渕乙乃・早坂雪乃・本間朋音・佐藤千尋さんの4名で、何事にも努力するタイプ。大渕さんは、同校歴代トップの成績で、早坂さんも同校歴代2位の好成績で合格を果たした。
同校では、2005(平成17)年度から、情報処理技術者試験に挑戦する取り組みを始め、今年で12年目となり、一昨年は4名が、昨年は1名、今年はこの時点で4名と、毎年合格者を輩出。
コンピューター部員も合格を目指しているが、今回は部員以外の生徒4名が合格した。授業では情報処理検定1級を目指し、その合格後に希望者を集め、同試験の勉強を開始した。他の部活や他の試験と両立させ、土・日に集中したり、休み時間や放課後にも勉強。指導者の中心となる同校情報処理科担当・奥原祥教諭もこの度の合格を喜んでいる。
経済産業省が主催する同試験は、2009(平成21)年の春から開催され、IT技術者としての知識やスキルの習得度を認定する国家資格。ルールや環境など、新しい問題が出題され、常に勉強が必要で難問も多い。
コンピュータシステムやサーバに関する知識が求められ、パソコン技術を問う試験ではなく、情報処理技術を問う試験となる。一昨年度から、CBT(Computer Based Testing:試験に関するすべてのプロセスをコンピュータ化している)の試験形式で、100問を165分間で解き、正解率60%以上で合格となる。
この試験に合格すると、IT社会で働く上で必要となるITの基礎知識を習得していることを証明する国家資格を得たことになり、情報処理科の専門学校では、この資格を持っていることにより、入学金を免除するシステムを取るところもある。
大渕さんは、「先生にプリントを沢山もらい、祝日や土・日に集中して勉強。休み時間など奥原先生に聞いて勉強した。本番も難しかったが、合格でき嬉しかった。進路に直接関係はないが、せっかくの商業高校で色々な資格が取れ、チャレンジするもの良いかと思った」と話す。
早坂さんは、「1回分100問をひと通りやり、奥原先生がポイントを指摘。何度も勉強した。1度で合格でき嬉しかった。IT系の大学へ進学する予定。奨学金も資格を持っているのが有利と聞いている」と話す。
本間さんは、「先生からのプリントやパソコンで模擬問題を家で勉強。点数がばらばらで合格に達していないこともあり、運が良かった。情報系の専門学校へ進む予定。ITパスポートを持っていると免除される」と話す。
佐藤さんは、「間違ったところをノートに書きまとめ何度も勉強。あまり点数が取れなくて厳しいと思ったが、合格してびっくりした。市内で就職したいので、この資格が有利になればと思う」と話す。
奥原教諭は、「それぞれ他の部活動や検定複数受験者など、同時並行でトップレベルの勉強をし、大したものだと思う。合格者に刺激され、試験にチャレンジしてもらいたい。1年も途切れることなく、周辺の商業高校と同じように毎年合格者を輩出。入学式で、先輩の同資格の合格の掲示を見て、チャレンジしたいと思った生徒も多く、合格は後輩の刺激になっている。高校3年間で勉強した結果を残せた。自慢できること」とエールを贈った。
1度で合格を掴んだ4名は、合格するまで挑戦するつもりだったという。今後、この合格者に影響され、同級生6名とコンピューター部の2年生がチャレンジ中だ。
しかし、同校は、道教委の適正配置計画に伴い、4年後に閉校が決定している。
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