小樽市議会第3回定例会は、9月21日(水)13:00から予算特別委員会を続行した。
質問委員は、自民党鈴木喜明・酒井隆行、公明党斉藤陽一良、共産党荒谷とし・高野さくら、民進党中村誠吾・面野大輔、新風小樽安斎哲也の各議員。
公明党斉藤議員は、市のコンプライアンス委員会宛に、「迫(ハザマ)元総務部長が、まだ民間人であった森井氏に人事案を提示したことは、公務員の守秘義務違反である」という内容の匿名の公益通報があったことについて事実関係を質問した。
市側は、これを8月29日に受理し、9月12日に森井市長にも報告したが、「①証拠書類が無い、②通報内容の記述が事実と異なる、③匿名であり連絡ができない。ということから、事実を確認・類推することが出来ないので調査はしない」と答えた。
斉藤議員は、「森井市長は、人事案を”正式”には4月30日に(元総務部長から)受け取ったと一般質問で回答したが、”非公式”にも受け取ったということか？」と質すと、森井市長は「就任前の4月28日に人事についての話を受け、その時、人事案が用意されていたと記憶にある。『目を通してほしい』と茶封筒に入れて渡され受け取った。中身は見ていない」答えた。
斉藤議員は、「迫元総務部長は、4月28日10時頃に、市長が市役所に来たと言っている。その後、市長応接室かどこかで受け取ったということか？」との質問に、「申し訳ないが場所を覚えていない」と、茶封筒を受け取ったのが市役所であったかどうか記憶がないことを答弁した。
斉藤議員は、「公益通報があったことについて市長はどう思うか？」と質問すると、「その匿名者の考えはちょっと分からない」と見当違いの答弁をした。「公益通報を受けて市長自身がどう思っているかということですよ」と、他の議員から説明を受け「匿名者が何か思いの丈があって出されたのかと思います」と答えた。
斉藤議員は、「市長は本会議で4月30日に受け取ったと話していた。公益通報では28日と言っている。先ほど、市長も定かではないが、28日に中は見てないけれど茶封筒を受け取ったと言っている。28日に受け取ったのは事実ですね？」と質したのに対し、森井市長は、「かすかな記憶だが28日だったと思う」と答えた。
「コンプライアンス委員会は信憑性が無いとして調査しないということだが、市長は、28日だと言っているのに対し、迫元総務部長は、8月9日の総務常任委員会で、4月30日以降に渡したと言っている。市長の記憶と整合性が無いが、その点どのように考えるか？」と質問した。◎8月9日総務常任委員会
市長は、「私自身は人事案を受けて正式に打ち合わせを始めたのは4月30日だから、その考えに齟齬や違いはないと思う」と答えたが、斉藤議員は、「市長は今、28日に受け取ったと言っている。これは大変なことだ。4月28日に受け取ったということになれば、渡した人が大変なことになる。記憶が定かではないという問題ではなく、しっかり思い出して、最初市長は、人事案を受け取ったのは4月30日とずっと言っていた。それが、この間、『正式に』という注釈を付け始めた。それで『非公式があるのか？』と確認したら、『28日に受け取っていたような気がする、受け取った』と言い出した。それは本当に事実ですか？」と質した。
これに対して森井市長は、「8月9日の総務常任委員会で迫元総務部長が、28日に副市長のことや人事が急がれると言った話をしたと証言していたし、公益通報でも28日ということがあったので、私なりに思い出してみたところ、明確な記憶はないが、『前段に確か受け取った』ということを、何となく記憶しているところなので、そのように話した」と答えた。
斎藤議員は、「そういうあやふやな答弁では済まされない。これはひょっとしたら誰かが刑事責任を負わなければならないかもしれない重大なことだ」と強く質すと、森井市長は、「私は、就任前に人事について話をされた記憶がある。それは、中身を見せられて、誰が誰でと言った具体的な話ではない。人事が急がれるといったことと、書面について目を通しておいていただきたいということ、それに伴って副市長についての話を受けているので、その事実自体は間違いない」と答えた。
斉藤議員は、「28日に説明を受けたのは分かる。しかし茶封筒は受け取らなかったのではないか？受け取れば市長も大変だけれども、渡した人ももっと大変だ」と再三にわたり質したが、森井市長は、「就任前に受け取った」と答えた。
斉藤議員は、「こういう状況になってコンプライアンス委員会は調査しなくても良いのか？」との質問に対し、コンプライアンス推進室長は、「まず、通報内容に書かれている『総務常任委員会で元総務部長が話した内容』が事実と異なっている点、それと市長が『就任直後に人事案を受け取って見ている』と答弁もしているので、通報内容は事実とは合っていないと決定した」と答えた。
斉藤議員は「コンプライアンス委員会が正しいとすれば、4月28日に受け取ったと言っている市長が間違っていることになる」と指摘した。森井市長は「私の記憶では事実なのだから、今後も聞かれたら、そのように話す」と答えた。
斉藤議員は、「この問題は今後あやふやなままにしておけない。公の場所において、何が正しかったのか明確にする必要がある」と述べた。
◎20160921 小樽市議会予算特別委員会(2日目)1
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