インテリア・家具小売業大手の株式会社ニトリホールディングス(本社:札幌市北区・白井俊之代表取締役社長兼COO)は、小樽の歴史的建造物を活用して芸術作品を展示する、ニトリ小樽芸術村を開設する。
小樽が栄えた頃と同時期の19世紀末から20世紀はじめ、イギリスで製作し教会で使われた140点のステンドグラスやアール・ヌーヴォーを代表する作家のエミール・ガレやドーム兄弟などの作品を展示公開。小樽運河隣接の歴史的建造物で、貴重な芸術品を鑑賞できる。
「ニトリは北海道が発祥の地であり、北海道に貢献したい思いをベースに、小樽は北海道の経済の牽引役となり歴史的建造物も多く、展示品がまさに同じ時代の物で時代に合っている。また、小樽の経済を支え当時から活躍された企業の皆さんに敬意を込めて小樽の地を選び、北海道を大事したい思いも込めている。この場所から芸術文化を発信し、子ども達も触発され羽ばたいていく基地となるような美術館を超えたものにする」ことを同芸術村のコンセプトとしている。
旧高橋倉庫をステンドグラス美術館に、旧荒田商会をアール・ヌーヴォーグラス館とし、7月23日(土)15:00にオープンが決定。旧三井銀行小樽支店に建設中の(仮)日本近代絵画美術館は、2017年春の開館を予定している。
オープンに先立ち7月14日(木)と15日(金)に、ステンドグラス美術館とアール・ヌーヴォーグラス館の内覧会が報道向けに開かれた。
建物や芸術品はすべてニトリ所有。現会長の似鳥昭雄氏が欧米や中東から買い揃えたものを一堂に公開した。
小樽運河通りに面した旧荒田商会(263㎡)は、1935(昭和10)年建造の木造2階建て。小樽市歴史的建造物に指定されている。ガレやドームの照明器具やガラス器約100点を展示する。
ガラス工芸作家のエミール・ガレ(1846ー1904)の植物や樹木をモチーフにしたデザインが施されたランプや照明器具を展示。照明器具は、館内の天井に吊るされ実際に使用されている。
ランプは、誰もが見やすように、まさに使われている低い位置での展示を心がけた。フランスのガラス工芸家のドーム兄弟(19世紀後半〜20世紀前半)のエナメル彩風雨樹林文彫テーブルランプなど、貴重な作品が一堂に展示されている。
併設する旧高橋倉庫(594㎡)は、1923(大正12)年に建造され木骨石造2階建てで、小樽歴史的建造部物に指定。19世期末から20世紀初めにかけてイギリスで製作されたステンドグラスを中心としたコレクション70組・140点を展示している。
ここでのステンドグラスは、ヴィクトリア王朝時代(1837〜1901年)のイギリス国教会をモチーフしたもので、「神とイギリスの光栄」、「カンタベリー物語」、「種まく人」などを展示。巨大なステンドグラスが、天井まで届く壁一面にいくつも展示され、色とりどりに輝く光の絵画は圧巻だ。
旧三井銀行小樽支店(1,529㎡・1927年建設)を活用した(仮)日本近代美術館には、岸田劉生の絵画や浮世絵「東海道五十三次」など、ニトリが所蔵する絵画100〜200点を常設展示する予定。来春の完成を予定し、建物周辺の緑地化整備を行い「憩いの場」を作り、2017年春のフルオープンに期待が高まる。
ニトリ小樽芸術村(NITORI OTARU ART BASE・色内1) 7月23日(土)15:00オープン
開館時間:9:30~17:30、夏季(7・8月)〜18:30 入場時間は閉館30分前
休館日:なし・展示入替及びイベント時は臨時休館あり
観覧料:一般700円、中・高・大学生500円、小学生以下無料
◎ニトリホールディングス