おたるドリームビーチ(銭函3)は、7月9日(土)から2年ぶりに営業を開始した。2年前には、同海水浴場につながる道路で悲惨な飲酒ひき逃げ事故が発生し、若い女性3人が死亡し1人が重傷を負ったため、その対応が注目されていた。◎関連記事
同ビーチの海の家は、本来毎年撤去しなければならないところ、長年撤去されずに違法のまま使用され続けてきたことが判明。このため、市から撤去要請がされたが、昨年の夏は撤去が間に合わず営業を見送っていた。今夏の再開へ向け、違法とされていた建物をすべて撤去し、健全なビーチを目指すために、ルールを決め準備を整えてきた。
9日は、21℃前後の気温で経過し、海水浴としては肌寒い日となったが、営業開始を心待ちにしていた人々が訪れ、波打際で遊んだり、水着で海に入り初泳ぎを楽しんでいた。
札幌市東区在住の小学5年生の女子は、浮き輪をつけて海に入り、「初めてここの海水浴場に来た。冷たかったが気持ち良かった。波の迫力がすごかった」と、初泳ぎを楽しんだ様子だった。
その後、10:00から小樽市長をはじめ、小樽警察署長、海上保安、運転代行スタッフ、組合員など30名が出席して安全祈願祭を実施。11:00から海上保安庁とライフセイビングクラブの合同救助訓練が行われた。同時に、小樽署と手稲署合同で、飲酒運転根絶宣言セレモニーが開かれた。
市内6ヶ所の海水浴場は、7月2日(土)に銭函海水浴場がオープンし、8日(金)に蘭島海水浴場、9日(土)はドリームビーチと、朝里・東小樽・塩谷海水浴場がオープン。今日で市内全部の海水浴場がオープンした。
安全祈願祭に先立ち、9日(土)9:00から、おたるドリームビーチ協同組合管理事務所前で、筒井弘子理事長が質疑に応じた。
筒井理事長は、「2年前の飲酒運転ひき逃げ事故が発端となり、私どもの海の家が違法建築物であるということが、すべての方に伝わり、全撤去して再出発することを選択。昨年の12月に建物をすべて撤去。雪解け後から、再建へ向けての努力を行い、ようやく、今日この日を迎えることができた。この1年半あまりの間は翻弄されたが、皆さんの支援のお陰で、今日12件(海の家)しかないが、今日の日のために必死になった結果。よろしくお願いします」と述べた。
また、おたるドリームビーチ海水浴場対策協議会を立ち上げ、「おたるドリームビーチ海水浴場ルール」についても触れ、今までの海の家と大きな違いについて述べた。
「1つは、営業時間を平日は9:00から、土日・夏休み中は8:00からで、19:00に終了。オーダーストップは18:00まで。2つめは、前浜でのバーベキューコンロ、携帯用コンロなど火気の使用を禁止し、道から許可を得た営業エリアにおいては、店が提供するコンロを使ってバーベキューを楽しむことができる」とした。
質疑応答で
Q:今日はどんな思いで迎えたか?
A:新たな出発点という思いで、みんな揃って営業したかったが、組合員3分の1でしかなく、悔しいような悲しい気持ちと、ここから先、今年の夏を水難事故・事件なく、8月31日を迎えるために新たな緊張感を持っている。
Q:夏本番へ向けてどう楽しんでもらいたいか?
A:必死の思いで生まれ変わって、新たな出発をしようと思う。ここから先は、お客さまの協力なしではできない。沢山の方にどのように変わったのか見に来ていただいて、安心して安全な海水浴場だと、2度・3度来てくださることを目指し、その中で気づいたことをなんなりと指摘してもらいたい。利用する方に育ててもらう海水浴場にしたい。
Q:ひき逃げ事故後、ルールにも明記され、どのような活動をする予定か?
A:飲酒運転根絶のチラシを大量に印刷し、来場者に手渡しする。酒を販売する側の者として、運転手には酒を売らない、同乗しない、飲酒運転する人を許さない。3つのスローガンのもと、一丸となって対策に取り組む。
その他、今まで37棟が続いて並んでいたが、途中海の家がない場所の管理については不安があり、他の撤去していないビーチについては、現在は自分達のことで精一杯。今後、小樽の海水浴場と連携した上手な海岸の使い方をしていきたいとした。
◎平成28年度海水浴場オープン情報
◎おたるドリームビーチ海水浴場ルール
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