小樽運河に新名所 ニトリ小樽芸術村オープン!

 小樽運河沿いの歴史的建造物を活用した美術館「ニトリ小樽芸術村」が、7月23日(土)15:00にオープンした。
 待ちわびた市民らが開館前から詰めかけ、照明器具やガラス器・ステンドグラスに見入っていた。
nitoriotaruartbase2.jpg インテリア・家具小売業大手の株式会社ニトリホールディングス(本社:札幌市北区・似鳥昭雄代表取締役会長)が、運河沿いの旧高橋倉庫と旧荒田商会の歴史的建造物を活用して開設。旧三井銀行小樽支店は来春のオープンとなる。
 展示物は、すべて似鳥会長が、15年前からコレクションしたもので、本格的に集めたのはここ10年だという。
 小樽が栄えた頃と同時期の19世紀末から20世紀初め、イギリスで製作し教会で使われた140点のステンドグラス、アール・ヌーヴォーを代表する作家のエミール・ガレやドーム兄弟などの作品を展示公開し、小樽運河の新名所にと期待が集まる。
nitoriotaruartbase1.jpg 旧荒田商会には、アール・ヌーヴォーグラス館を開設。同建物は、1935(昭和10)年に建造された歴史的建造部物で、ガラス工芸作家のエミール・ガレ(1846ー1904)の植物や樹木をモチーフにしたデザインが施されたランプや照明器具を展示。
 フランスのガラス工芸家のドーム兄弟(19世紀後半〜20世紀前半)のエナメル彩風雨樹林文彫テーブルランプなどや、フランス美術家アージー・ルソー(1885ー1953)の「獅子文花生」、アマルリック・ワルター(1870ー1959)の布製シェードテーブルランプ、ルネ・ラリック(1860ー1945)の装飾パネルなど、アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代にわたって活躍した作家らの貴重な作品約100点が一堂に展示されている。
 併設する旧高橋倉庫(594㎡)は、1923(大正12)年に建造され木骨石造2階建てで、小樽歴史的建造部物に指定。19世期末から20世紀初めにかけてイギリスで製作されたステンドグラスを中心としたコレクション70組・140点を展示している。
 ステンドグラスは、ヴィクトリア王朝時代(1837ー1901)のイギリス国教会をモチーフしたもので、第1次世界大戦の戦勝記念と犠牲者の追悼のために制作した「神とイギリスの光栄」、様々な階級の人々がカンタベリー大聖堂へ巡礼に向かう様子が描かれた「カンタベリー物語」、新約聖書の種まくひとを表現した「種まく人」、イエスの祝福を求めて集まる子ども達などの「幼子よ我に来れ」や、多くの作例がある「最後の晩餐」は、静かにパンを裂いて弟子達に渡たそうとするイエスを中心に、驚いた顔を見合わせる弟子達の姿が描かれている。

 会場は、巨大なステンドグラスが、天井まで届く壁一面にいくつも展示され、色とりどりに輝く光の絵画は圧巻。来館者を魅了した。
 オープンに先立ち、170名が招かれ、10:30から点灯式、高橋北海道知事や小樽札幌の両市長など来賓の内覧会・懇親会が開かれた。
 14:40から、似鳥会長をはじめ、森井秀明小樽市長、山本秀明小樽商工会議所会頭・西條文雪小樽観光協会会長、ニトリ小樽芸術村特別顧問田中健氏、同顧問志田政人氏によるテープカットで開館を祝った。
nitoriotaruartbase3.jpg 似鳥会長は、「小樽は美しい町で、昔から美術館を実現させたいと思っていた。長年の夢が実現できとても嬉しい。小樽の観光名所に役立てたいと徹底的に努力をした。今後さらに名品や名作を購入し、会場周辺の公園に芝生や北海道の特徴のあるライラックなどを植え、ベンチを設置し休める空間を整備したい。これを機に小樽の観光客が増えてくれることを願っている」と述べた。
 札幌在住の夫婦は、「思ったより沢山の作品でびっくり。ステンドグラスが印象的。知り合いの人にも勧めたい」と話した。
 なお、旧三井銀行小樽支店(1,529㎡・1927年建設)を活用した(仮)日本近代美術館には、岸田劉生の絵画や浮世絵「東海道五十三次」など、ニトリが所蔵する絵画100〜200点を常設展示する。来春の完成を予定し、建物周辺の緑地化整備を行い「憩いの場」を作り、2017年春のフルオープンに期待が高まる。
 ニトリ小樽芸術村(NITORI OTARU ART BASE・色内1) 
 開館時間:9:30~17:30、夏季(7・8月)〜18:30 入場時間は閉館30分前
 休館日:なし・展示入替及びイベント時は臨時休館あり
 観覧料:一般700円、中・高・大学生500円、小学生以下無料
 ニトリ小樽芸術村
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