市立小樽美術館(色内1)は、おたる潮まつり50周年を記念して、まつりの熱気をテーマにした「まつり写真展」を、7月9日(土)から9月18日(日)まで、同館2階企画展示室で開いている。
北海道写真協会・審査会員3名と会友6名の小樽在住の写真家が、まつりを激写した46点と、潮まつりの設立に尽力した米谷祐司・藤森茂男・藤間扇玉・伊藤一郎ら各氏の功績を関係資料とともに紹介している。
北海道を代表する夏祭りに成長したおたる潮まつりは、1967(昭和42)年に始まった。まつりの仕掛け人となる米谷氏は、小樽を元気づけようと開催に尽力し、まつりの歌は詩人でもあった同氏が小樽をモチーフに作詞したもの。
その企画委員会メンバーでキーマンだった藤森氏は、波を意味する2つの巴のシンボルマークをデザインした。うちわ・センス・浴衣・手ぬぐいなどに印刷され、今年のポスターにも使用され、誰もが潮まつりをイメージするマークとして浸透している。第1回のまつりのチラシは、同氏がデザイン。会場で見ることができる。
潮音頭の振り付けを考案したひとりで、藤森氏の妻で藤間扇玉こと藤森茂子氏は、現在も潮踊りの師匠として、市内の小中学校や企業で指導を行い、ふれこみ、ねりこみを多いに盛り上げている。
伊藤氏は、小樽老舗「丸イ伊藤染舗(旗イトウ製作所)」の5代目社長。第1回から実行委員会のメンバーで、藤森氏がデザインした潮のマークを入れたオリジナルグッズ類を製作していた。
まつり写真展は、9名の写真家が、潮まつりを中心に撮影した熱気溢れる思い出深い写真を提供。同企画展のチラシに掲載された写真は、川原静雄さんの作品「男の晴姿」で、1993(平成5)年に神輿の先頭に乗る子どもと笑顔の男性を激写したもの。他の4点も1992(平成4)年から1994(平成6)年に撮影した、子どもをテーマにモノクロ写真ばかりを集めたという。
粟野孝市さんは、昨年の潮まつりのふれこみ、わんわんパレード、神輿、風鈴トンネル、潮渡御を撮影したもの。高橋省三さんは、1年前から依頼を受け、この企画展のために、5年前から昨年までのまつり写真を用意した。全紙サイズにプリントしパネル貼りにして、反射を避けるためガラスを抜いて額装したという。
初日は、オープニングイベント潮太鼓打演が行われ、写真出展者によるギャラリートークが開かれた。プロフィールや写真の説明、得意分野などについて1人ずつ語り、多くの来場者が撮影秘話に耳を傾けた。
まつり写真展 7月9日(土)〜9月18日(日)9:30〜17:00
7月18日を除く月曜日・7月19日・20日・8月12日休館
市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室
入館料一般500円、高校生・市内70歳以上250円、中学生以下無料
潮太鼓と日本舞踊のコラボレーション「潮の響き~神男女狂喜」
8月20日(土)14:00〜15:00 企画展示室 藤間扇久華・おたる潮太鼓保存会出演
◎市立小樽美術館 開催中の展示会