小樽市梅ケ枝町の高台にある私設美術館「あとりゑ・クレール」(高橋明子オーナー)で、
6月1日(水)からイラストレーターで人形作家の高山美香さんの「映画人形展」が始まった。映画の登場人物の人形・新作10点を含む32点が飾られている。
高橋オーナーは、多い時で年間120本の映画を見るほどの大の映画好き。今回も、昨年から高山氏に人形展の開催を依頼。10月頃から新作の制作に取り掛かり、丁寧に作り上げ、6月の開催に間に合わせたという。
開催を依頼しただけで、どんな人形ができてくるのかは、同オーナーにとっても開催直前まで分からないが、なぜか高山氏とは映画の好みが一致し、作ってほしい登場人物が不思議と人形になっているそうだ。
オーナーの好きな映画のひとつ、1990年のアメリカ映画「シザーハンズ」のジョニー・デップ演じる人造人間のエドワードは、鋏の手をリアルに表現。顔の表情や髪の毛等の細部まで観察されている。
アカデミー主演女優賞を受賞した、同年アメリカ映画「ミザリー」の拘束監禁するアニー・ウィルクス(キャッシー・ベイツ)も人形になり、顔を照らせるように赤いライトを用意し、よりリアルで恐ろしいシーンが蘇る。
「バベットの晩餐会」は、1987年に公開されたデンマークの映画で、登場人物と晩餐会のご馳走を再現。同オーナーにとっても思い出深い映画で、今後、この映画にまつわるエピソードを紹介する予定だ。
セリフがすべて歌になったミュージカル映画「シェルブールの雨傘」(1964年フランス)からは、恋人同士のギィとジュヌヴィエーブを人形に。
同展の案内状のハガキにもある高倉健の制作にはひと月も費やし、ポケットに手を入れ、服のシワや目線など細かく作られ、どこから観ても健さんだ。隣に並ぶ寅さんも、寅さんらしい表情が上手く表現され、持ち物のバックの中身から当時の時代が分かる。
会場では、映画にまつわる曲が流れ、原作本なども展示。映画のDVD上映会も予定している。
同オーナーは、「作る苦労もあるが、人形にはいろいろな秘密が隠されている。会場で、じっくり観てもらいたい。どの角度から観ても同じ人物で、高山さんは上手く特徴を捉え天才的です」と絶賛した。
高山美香「映画人形展」 6月1日(水)〜19日(日)11:00〜17:00
月・火曜日休館日・入場無料
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