小樽市富岡の高台に立つ「旧遠藤邸」(富岡1)の一般公開が、5月15日(日)から22日(日)まで8日間限定で開かれている。
この建物は、立正佼成会小樽教会(村瀬容子教会長)が所有し、1985(昭和60)年7月に、小樽市指定歴史的建造物4号に指定され、1995(平成7)年には、小樽市第8回都市景観賞を受賞。小樽の貴重な歴史的建造物のひとつ。
公開日は、係が交代で常駐し、来場者を温かく出迎えている。普段は見られない貴重な建造物のため、市民や学校団体、外国人観光客など、毎年700人以上が見学に訪れているという。
旧遠藤邸は、海産物卸商で巨万の富を築いた遠藤又兵衛が、1902(明治35)年に、長倉増藏氏の設計により建立した豪邸。美しい庭園に囲まれ、遠藤氏の財力を使い、本州から木材を取り寄せ、大工は越後から呼び、旭川の神威古潭(かむいこたん)から砂利を運び、釘を使わずに3年もの歳月をかけて作られた和洋折衷の建物。「小樽御殿」の名で知られる邸宅だった。
邸内には、八角形の洋室の応接室と和室二間が当時のまま残る。応接室は、大きな三面のベイウインドが美しく、白塗りの壁が特徴的。門や塀も重厚に作られ、鷹や亀の鬼瓦や遠藤家の金色の家紋四菱がいくつも飾られ、当時の貫禄が今でも漂っている。
縁側からも見える中庭は、手入れが行き届き、梅や牡丹の木々が植えられ、季節の花を楽しませている。
遠藤氏の死後、1913(大正2)年に、倉庫業等を営む山本厚三氏が所有者となり、1964(昭和39)年に、立正佼成会が購入し小樽教会道場として使用。1983(昭和58)年に、南正面棟の主要部分を残し、正面棟約3間分と西・北棟を撤去した。
玄関横のホールでは、毎年恒例の立正佼成会・谷内純子会員らによる手作りのつるし雛などの作品を展示。併せて鑑賞できる。
高橋秀典館長は、「綺麗に手入れが行き届き、和洋折衷の特徴ある建物を、この機会にぜひ皆さんに見ていただきたい。和室やホールを、会合などに無料で貸出しているので、気軽に利用していただきたい」と話した。
旧遠藤邸無料開放 5月15日(日)〜22日(日)10:00〜15:00
問合せ:0134-23-7266 立正佼成会小樽教会