小樽市議会(横田久俊議長)は、22日(金)11:00から、市役所(花園2)2階第2委員会室で総務委員会(山田雅俊委員長)を開いた。これは、4月18日(月)開会の同委員会で空転し持ち越された質疑を続行するために開かれた。
しかし、森井市長が、同委員会でもルールを無視して反論したため、5時間にも及ぶ空転を重ねた。
公明党・斉藤陽一良議員は、市長が度々発言する『何かしらの錯誤』とは何か説明を求めたが、不誠実な答弁があり空転。その質問から始まったが、質問の趣旨に沿った回答は得られず、民主党・佐々木秩議員の質問に移った。
その中で、市長になる以前の8年間、個人的に見ていた職員の様子を評価判断に使ったことが明らかになり、佐々木議員は、「見られていなかった人の中にも優秀な職員は沢山いる。その人には光は当たらなかった。不公平がある」と指摘した。
市長は、「佐々木議員が心配されることはない。長きに渡り役目につくことを目標に当時の情報を見て聞いて、公人として改めて判断した」と述べた。佐々木議員は、「一私人であった時に見たり聞いたりしたことを人事に使うのは法令上許されることか」と質問。
職員課長は、「客観性が担保されることを前提に、過去の経歴など使ってはならないことはないので、許さると思う」と回答。佐々木議員は、「先入観に囚われないで行うことも必要で、私人で見聞きしたものと、公人の時とでは違うと思う。市長の人事は客観性に欠ける。コンプライアンス委員会の結論を待つ」とした。
また、水道局の人事について市民より直接連絡があったことを受けて、教育委員会や水道局、病院局で、任命権者について回答を求めた。
「小樽市の職員配置は、市長部局で採用した職員を他の部局に出向させている。人材育成の観点など、市長部局に採用権がある。内部昇任の主導権は各任命権者となる」とした。
佐々木議員は、「市長といえども、法律で認められている他の任命権者の権限を犯すことはあってならない」と確約を求めた。市長は、「各部局と打合せをしながら進めている。無視をしたことはない。各部局においても市職員が職務を果たすよう人事において市長が責任を持って対応しなけらばならない」と述べ、「佐々木議員の心配することはない」と言い切った。
また、市HP記者会見録掲載の前の確認で錯誤には気づかず、今後、正確な答弁への具体的な対策を尋ねたが、市長は、「人間なので時には間違いもあり、その都度、皆さんにちゃんと話し、できるかぎりの対応をする。この度の記者会見では、間違いないように努力することも重要と思い、具体的な取り組みは、今は形になっていないが検討したい」と述べた。
「今回反省に立ち、どのように対応するのか」に、市長は、「皆さんに説明し、訂正し、削除して改善する」とした。
「何かしらの錯誤について、事実と違う発言があったことで、様々な影響があり、間違っても何らかの錯誤といえば、責任を取らされることはないという話も聞こえてくる」ことについて、市長は、「私は常々議会の場で指摘され、それについて説明し、謝罪等をさせていただき」と発言。「いつ謝罪したのか」と議員から疑問の声が多数上がり、議事録等で調査するために、11:45に休憩に入り、13:15に再開した。
総務部次長により、「鈴木議員の代表質問の再質問で休憩後、記者会見においてもしっかりと言葉を間違うことのないようにしてまいりたいと理解を求めた後、”大変恐縮です。失礼いたしました”と答弁したことが謝罪にあたる」とした。
佐々木議員は、休憩前の市長答弁の中で「私は常々議会の場で指摘をされ、それについて説明をし、謝罪等もさせていただき」の「それについて」の「それ」は何か尋ねた。
市長は、「確認をさせてもらう」と発言の申し出があり、「佐々木議員から、謝罪をしていないと指摘があり、私は謝罪していると話した。それを具体的に追求され、私の謝罪したということが答弁として入っていたことが認められた時には、謝罪していないこと自体がもともとの答弁とは違う状況になってしまう。
このようなことは誰においても起こりうることで、議論が熱くなれば不適切な発言が出て、人から指摘を受けて訂正等をすることもある。追求されるとか、突き詰められることを妨げられないが、議会の場でこのような時間を費やしても何も生まれない。市長部局から質問をすることができない。議員の皆さんの裁量に委ねられていると感じる」と述べた。
濱本議員は、「この場での発言ではない」と議事進行があり、各議員から反論が飛び交い、市長は、「確認したい。発言を許していただきたい」と繰り返した。
山田委員長は、「佐々木議員との回答にはそぐわない」と、再開後、10分程度で休憩に入り、市長の発言について理事会を開き、「市長からの撤回、謝罪を求めるべき」と、5時間にも及ぶ空転となった。
18:25に再開し、山田委員長は、「市長には、就任以来、動議や決議が幾度となく提出され、その都度、議会と真摯に向き合うことを求めたが、この度の総務常任委員会においても、議会ルールを順守し、真摯に向き合う姿勢が一向に見られない。市長の認識を疑わざるを得ない。改めて、市長に、自身の発言の重みを自覚するとともに、委員会のルールは守るという認識を持った上で、委員会審議に臨むことを強く求める」と述べた。
新風小樽・安斎議員は、質疑の中で、事前に質問することを伝えていたにも関わらず、回答を用意していなかったり、満足する回答は得られず、19:20に閉会した。
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