小樽市議会第1回定例会一般質問が、3月9日(水)13:00から開かれた。議会空転の影響で、会期を22日(火)まで、6日間延長することを決めた。
一般質問では、民主党・佐々木秩、自民党・山田雅敏、新風小樽・髙橋龍、公明党・松田優子、共産党・小貫元、自民党・中村吉宏、新風小樽・中村岩雄、共産党・髙野さくら議員の順番で質問に立った。
市長が様々な場面や議会で毎回口にする、昨年10月に策定した小樽市総合戦略の「訪れる人を魅了し、暮らす人には優しい、市民幸福度の高いまち」と、小樽市が目指す都市像を掲げていることに、佐々木議員は、市民幸福度をなぜ採用したのか、難解で未成熟な概念を使わなくても戦略は組み立てられたと思うと質問した。
市長は、「総合戦略を策定するにあたり、市民目線に重きを置く観点から、市民がそれぞれに抱く主観的な幸福感を各種指標より評価することで、住み良いまち小樽への進捗度を可視化するために取り入れた。また、幸福度や満足度を指標に採用し、総合計画の策定や行政評価を行う際にも活用することで、将来的に効果的・効率的な運営を図ることができる」とした。
佐々木議員は、健康被害を及ぼすアスベストについて、2012年アスベストの建物は58件で不明22件だったが、市内に残るアスベストについて質問した。
現在アスベストが使用された建物は、平成24年以降に1件が解体され56件、使用されているか不明な建物は18件。アスベスト調査の助成制度については、建築物に吹き付けられた建材にアスベストが含まれているか否かの調査に、25万円を限度に助成するもので、平成24年から26年まで実施したが利用実績がなく27年度に廃止した。
大気汚染防止法に基づく、昨年度の届出件数は4件。近年の傾向では、10件前後に推移している。アスベスト飛散に対しては、小規模な建物についても飛散防止策が必要であることをHP等で周知したいとした。アスベストについて
山田議員が質問した平成27年から施行された生活困窮者自立支援制度については、自立相談支援事業・住居確保給付金支給事業・就労準備支援事業がある。
実績件数は、平成27年12月末延べ数で、自立相談支援事業201件、住居確保給付金支援事業6件、就労準備支援事業は23件となる。この制度の情報管理については、個人情報共有の本人同意については、相談の受付の際、同意する旨の署名を、個人情報の管理については、適切な破棄処分を行うよう細心の注意を払っている。生活サポートセンター「たるさぽ」
髙橋議員は、小樽商科大学2年生のインターン生と一緒に小樽の課題等から考えた、Wi-Fiスポットの増設と子どもの家庭学習時間について質問した。
訪日外国人の旅行にとって重要なのはWi-Fiスポットで、その増設が必要で、市内では不足している現状がある。JR小樽駅においてもWi-Fi設備の拡充が求められる。小樽駅の観光案内所に加え、駅コンコース内に窓口を設置すると聞いたが、Wi-Fi設備の増設を観光協会に要望したいと述べた。
「Wi-Fi環境の充実性は認識し、昨年度は、移動式Wi-Fiをクルーズ船寄港時に活用した。広範囲の設置には様々な課題があり、観光協会や観光事業者と連携し、外国人ニーズやWi-Fi環境整備の必要性を検証し充実を図り、セキュリティ対策についても研究したい。小樽駅には、すでにJR北海道設置のフリーWi Fiがあり、その利用促進について協力依頼があった。今後、利用頻度の増加が期待され、小樽駅構内に新たなWi-Fiの設置は考えていない」とした。
髙橋議員は、Wi-Fiの良い整備を進め、防災限災害にも活用できると強く要望した。
松田議員は、子育てに忙しい時に親の介護も同時に進行し大きな負担となる「ダブルケア問題」についての見解や、認知症による徘徊について、冬場の子どもの遊び場確保について質問した。
「こうした問題に対応するため、子育て支援や高齢者対策にしっかり取り組むことが重要と考え、政府が行う実態調査に注視し研究を進めたい」とした。
小樽警察署による市内の徘徊による捜索件数は、平成25年度17件、平成26年度18件。このうち、未発見者は25年度の1件。徘徊高齢者位置情報検索システムの助成基準と人数については、市内の居住する徘徊の恐れのある65歳以上の高齢者と同居する家族を対象に、助成額は1情報システムの導入経費1万円を助成する。平成18年度から開始しているが、これまでに平成18年度2件と19年度の1件の3件の利用があった。
町会等が管理する児童遊園は52ヶ所あり、ほどんどが冬期間雪捨て場となる。小樽公園では、ソリ遊びや散策の場として利用しているが、凍結からトイレが使えなかったり、駐車場が使えないなどの問題がある。
「空家を子どもの遊び場・交流の場に活用する提案では、「ニーズや運営主体、運営経費など検討課題も多く、空家等対策計画策定の際の参考にしたい」と回答した。
小貫議員は、学校統廃合について、望ましい学校規模や中央・山手地区の中学校について質問。
教育長は、北海道が示す基準は、小学校は12学級から18学級、中学校は9学級から18学級で、小規模校において長所を認識しながら、様々な課題もあり学校教育本来の機能が充分に発揮できないことが懸念され、望ましい学校規模と認識している。
学校再編は単なる統合ではなく、新しい学校づくりを通して教育環境の改善を図ることを目的のひとつとしている。
花園小学校では、平成24年度の統合を機に、学力向上に成果を上げた。さらに、学校サポート委員会を設置し、地域とともに学校づくりが進められている。
手宮中央小学校では、職業体験活動や3・4年生の総合的な学習時間に実施する、英語を中心とした国際理解教育など特色ある教育活動を予定している。
統合校において新しい学校づくりの取り組みから教育環境の向上が図られ、改善の流れを止めることなく学校再編を進めたいとした。
中央・山手地区の中学校については、生徒数の推計から3校を2校に再編が必要と考え、西陵中学校と松ヶ枝中学校を統合し、小樽商大に隣接し恵まれた環境にある小樽商業高校閉校後に学校施設を活用する案を示した。
10日(木)は13:00から、予算特別委員会(総括)を予定している。