10月13日(火)13:00から、小樽市役所(花園2)2階第1委員会室で、総務常任委員会(山田雅敏委員長)が開かれ、7日(水)に引き続き、森井市長が執着する参与人事について質疑が行われた。
9月市議会(3定)での参与不承認の議決を受け、”幽霊職員”となってしまった堤参与を、森井市長が引き続き、強引に嘱託として任用継続していることから、7日に続いての質疑となったが、市長と議会側との論理は全く噛み合わず、堂々巡りの結果に終わった。
自民・共産・公明・民主・新風小樽の順番で質疑が進められた。
自民党・濱本進議員は、「新たな予算措置を講じるものは議会での可決が前提となるが、今回は状況が違い、6月10日の参与の任命については、期限は3月31日までで、8月19日の会派説明での文章や、9月24日の議案説明では、10月1日から新制度のもとでの参与の雇用となることについて」の見解を求めた。
菊池宏二秘書課長は、「6月10日の任用起案では3月31日まで、8月19日・8月24日の会派説明では、新たなルールを提案させてもらい、10月1日から新たな制度に変わる説明をした。その中で合意をいただいた」と答弁した。
濱本議員は、「議案を上程するにあたり、否決が前提となる議案は上程しない。条件を変更したらそのままではいいのか?」と指摘。
秘書課長は、「任用条件の変更に関して同意を頂く上で、可決されたならば10月1日以降、新しいルールで任用すると説明した」と答弁した。
さらに、「それなら9月30日に退職する約束をしたのか?」と質問。
秘書課長は、「9月30日をもって退職願いを提出し、10月1日に委嘱する話をした」と回答。
また、「今までの参与の任用根拠が変わり、一旦、3月31日までの任期を、9月30日までに変更をかけることは、1ヶ月前に解雇予告もしくは、退職勧奨の手続きを行うが、一切している形跡がない。行政的な基本の手続きをしたのか?」とその杜撰さを指摘した。
小鷹孝一総務部長は、「書類ではないが口頭で合意が取れている」と双方合意であるとした。市長は、「瑕疵(かし)があったと思っていない」と答えるに留まった。
共産党・酒井隆裕議員は、参与についても市民に分かりやすく説明する必要があると指摘。
秘書課長は「参与の報酬については、秘書課の予算から支出。臨時職員の賃金から流用している」とし、佐藤靖久職員課長は、「年度末には不足が生じるのではと心配している」と答弁した。
報酬額30万円の考え方についての質問(減額など)に 秘書課長は「27万7千円は、再任用の国家公務員の管理職の最低額を基本としている。今後、減額を含めて検討する。市の再任用職員の単価等を検討し、具体的にはまだ出ていない」と答えた。
職務の内容については、「市政全般のアドバイザーで、現在は、除排雪のウエイトが大部分を占める。より専門性を活かした除排雪を行う。先ほどの報酬額についても検討したい」と回答した。
勤務時間については、「今後においては、業務に柔軟に対応できるような時間設定が必要で、勤務時間の割り振りについては、現段階では示すことができない」と答えた。
酒井議員は、「いずれにしても考え方については、早急に示してもらいたい」と求めた。
公明・斎藤陽一良議員は、参与の報酬の財源として、6月9日、秘書課で起案された臨時雇用者賃金から運用先として、秘書課の嘱託報酬の流用により確保されたのは3,572,632円。現時点で流用された残額はいくらか求めたが、調べるために休憩に入った。
休憩後、秘書課長は、「2,442,887円」と回答した。
斎藤議員は、本市において重大な問題で、流用した予算を現時点で繰り戻すことを求めた。流用規制を設けるべきと指摘。さらに、臨時雇用者賃金が不足するはずで、今後の臨時職員の雇用の見通しを求めた。
職員課長は、「今年9月25日現在、不足の見込み額として136,000円程度。臨時職員が病気等で代替が出ると不足が生じる。財源の手当を財政にお願いしている」と回答。
斎藤議員は、「市長が恣意的な任用を行ったために、通常の業務に支障が出ることは許されないことだ。予算がないのに任用するのはとんでもない話。1つ無理をすると、連鎖的に色々な場面に影響を与え、議会の予算統制権を犯すということ。法令遵守を強調している市長が、個人後援会の幹部を市長政策アドバイザーとして市に任用したこと自体が不適切だ。他にも起案が不備、議会への説明が遅れ、予算がないと流用する、不当に高額な報酬を支払う。さらに根拠が不明確、多々あるがすべてが、最初の市長の判断ミス、不手際から発生しており、市長の責任だ。市長からは反省も謝罪もない」と市長の見解を求めた。
市長は、「2定・3定と指摘があり、改善策に向けてしっかりと取り組みたい」と回答するに留まった。
民主党・佐々木秩議員は、「冷静に参与の件について、いろいろなチェックをし、市の職員と議会との2重のチェックをし、最終的にチェック機能を無視し、判断を続けている。このままで行くと、恣意的な任用をはじめ、私達のチェック機能が心配となる。参与も含め、今年度については除排雪関係については白紙にして、来年に向けてきちんと検討するつもりであたってもらいたい。参与については、もう一度選び直しては」と慎重に進めるべきとした。
相庭孝昭建設部長は、「除排雪の出動基準の改善など3定で説明したものは実施する」と答えた。
市長は、「議会の中で、参与、除排雪など様々な指摘をいただき、できることを見据えながら一歩ずつ前に進みたい」と答えた。
新風小樽・安斎哲也議員は、市政に関して参与の必要性を具体的に事例を上げて説明するよう求めた。
前田孝一財政部長は、「市長からの指示に対しての具体的なアドバイスや、除雪に対するアドバイスから予算を算出した」と答弁した。
総務部長は、「除雪の予算を作成するにあたり相当に役立ったと建設部から聞いた。入札に関するアドバイスなど、必要性が感じられる」と述べた。
建設部長は、「1つは、排雪の経費の抑制について、雪堆積場のアドバイスを受け、現地視察した。生活路線の雪置き場の大切さや除雪拠点の増設。業者の負担の軽減。路面管理に目が行き届く。若竹・潮見台の拠点を増設することが、遅れを解消することに有効とアドバイス。15cmから10cmは、路面に残るガタガタ路面を解消し管理しやすくなる」と答えた。
JVの入札について参与のアドバイスがあったかについて、建設部部長は、「具体的には、これからの審査となり内訳については差し控えたい」とした。除排雪業務には「8社のJVが入札受付した」と話し、それ以上は答弁を差し控えた。
しかし、さらなる追及に、「申請したJV全てが4社以上となっていなかった」とし、市長の「より多くの企業が参加出来るように」の指示の下、申請受付中にも拘らず、突如、入札委託要件を2社から4社に変更したが、入札前に既に市長の思惑が破綻していたことが明らかになった。小樽市議・あんてつが行く
”幽霊参与”を嘱託として任用継続した森井市長に合わせ、各部長は懸命の取り繕いの答弁を続けているが、論理の破綻は隠せないままだ。今後も、森井市長の市議会の議決無視姿勢が続くならば、正常な議会運営は望むべくもない。市民不在の市長VS市議会の争いの解決への道は、一に森井市長の姿勢にかかっている。
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