森井秀明市長の発言を巡り、紛糾空転した9月市議会(第3回定例会)後の定例記者会見が、10月6日(火)11:00から、市役所(花園2)2階市長応接室で開かれた。
今定例会で、不承認とされた副市長・参与人事の今後の行方について、多くの質問が集まった。森井市長は、新たな副市長人事は、12月定例会には提案したいと述べたが、参与については、一般の嘱託職員として、3月31日まで雇用を継続すると表明した。
参与人事で市長は、森井秀明後援会の幹部である堤正和氏を6月に参与として任命し、個室を与えて、今年度の除排雪関連業務に当たらせ、今議会で特別職の参与としての承認を求めた。しかし、堤氏が市内の除排雪業者の社員だったことから、大きな疑義が上がり、市議会で議論が集中した。
このため、市議会では、副市長に次ぎ、参与の設置と報酬案が否決され、堤参与は”幽霊職員”となってしまい、今後の市長の対応が注目されていた。
森井市長は、「堤参与については、一般の嘱託職員として、3月31日まで雇用を継続する」と、市議会の議決を無視する対応を表明。市長が市議会議決を無視して、市議会に喧嘩を仕掛けるような対応を取ったことで、市議会側がさらに硬化することは必至の情勢となった。
市議会はこの問題で、急きょ7日(水)16:00から、総務常任委員会を開いて協議することになった。
市長は 副市長について「私だけで決めることはできない。現在は白紙の状態。副市長は欠かせないため、早い時期に選任案を提示できるよう努力する。12月定例会には出したい」とした。
参与については、「現在、労働契約法に守られている職員で、正当な理由がなく解雇はできない。このことは、参与の解雇の問題だけではなく、本市において採用されている臨時職員や嘱託職員の雇用の問題にも結びつくものであり、さらに、堤氏を解雇するということは、堤氏個人に対する人権問題に発展しかねないと危惧されるため、市長は法を遵守する立場にあり、原則的には、来年3月31日まで引き続き、任用すべきと考える。しかしながら、本議会において、補正予算案、条例改正案が否決されたことを受け、対応についても現在も検討中。今が一番大事な時であり、市民にも除排雪を含め成果を期待してほしい」と述べた。
質疑応答では、参与問題について集中した。
Q:参与の今後の具体的な対応とは?
A:議会での様々指摘を受け、今後における参与の条件等(給与・雇用形態など)について、協議中で、早い時期に形になるよう取り組んでいる。
Q:副市長と参与という森井市政の幹部の否決や、市議会が森井発言を受けて空転し、謝罪を求められているが。
A:人事の否決はとても残念なこと。議会意思は重いもの。次回に向けて検討していく。(謝罪については)現時点でも、議会で発言したとおり、「特にございません」と同じ気持ち。
Q:市政クラブからの申し入れについては?
A:議会を重んじて説明が先だと思い、重要案件や予算にからむ案件については、市民に伝えたい気持ちもあるが、議会協力なくして前進できない部分もある。今後は皆さんと協議し、情報発信に努めるので協力を求めたい。
Q:記者の質問に答えないのでは、オープンな市政とは言えない。記者の質問に対して、そんな質問は必要なのか?と発言したが、市の権力者(市長)を監視するのが報道の役目。質問が必要であるかないかを決めるのは市長でなく報道側にある。市長の発言は、言論の自由や報道の自由に関わる重要な問題だ。
A:議会における説明を優先せざるを得ないと判断した。今後においては、報道機関への気持ちも察しながら、期待に応えるようにしたい。言葉尻が皆さんにとって無礼に当たる部分もあったのかもしれないので今後は配慮したい。
Q:今の段階で参与を解雇することは、本人(参与)が市長の指示に従うと言っているのに人権問題になるのか?
A:嘱託職員を含め職員の任用権限は市長にあり、議会から議決を受けて職員を解雇することはできないと考える。議員も嘱託職員をやめさせることはできないと理解していると思う。議会での決断は重く受け止めている。どのように対応できるか検討中。他の職員への影響に繋がるため慎重に対応したい。
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