本をモチーフに、様々な作家の個性溢れる作品に触れ合う「おたる Book Art Week 2015 」が、9月25日(金)から10月10日(土)まで開かれている。
2011(平成23)年に、ヴェールボアでの開催をきっかけに、参加店舗を増やしてきた。今年で5回目を迎え、芸術の秋に相応しい恒例のイベントとして定着してきた。
今年は、あとりゑ・クレール(梅ヶ枝21)、シロクマ食堂(色内3)、市立小樽文学館(色内1)、博信堂書店(花園1)、なまらや(花園3)、カフェレーゲンボーゲン(住吉4)、ヴェールボア(住吉11)の7会場で、様々な作家の個性溢れるブックアートを展開中。会期を延長したカフェレーゲンボーゲンでは、10月26日(月)まで、市立小樽文学館は、9月5日(土)から11月3日(火)とロングランに開催中だ。
あとりゑ・クレール(高橋明子オーナー)では、樹脂粘土で作るちまちま人形で知られる札幌在住の人形作家でイラストレーターの高山美香氏による「映画劇場」と題し、日本映画をはじめ、イタリア・フランスの名画を飾る映画スターの人形を、新作11体を含む22体を展示。
渥美清扮する「男はつらいよ」の主人公・寅さんこと車寅次郎をモデルに、表情豊かにそっくりな人形を制作。映画の内容や制作裏話が、高山氏の味のある手書き文字とイラストで紹介。寅さんの顔の完成には2ヶ月を要した苦心の作であることが明かされている。
また、人形と一緒にカバンも展示され、中には、蚊取り線香やトイレットペーパー、うちわやノーシン(頭痛薬)まで細かく作られている。
1953年公開の「東京物語」は、当時の豪華俳優陣が出演し、笠智衆や原節子など8体が並び、そっくりに作られたキャストが人形になって蘇った。
1954年日本で公開の「ローマの休日」のアン王女(オードリーヘプバーン)も苦心の作だという。同年制作のイタリア映画「道」のジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)や、「お熱いのがお好き」のマリリンモンローなど、特徴を細かく捉えた人形が並び、映画の世界へ誘う。
1983年のフランス映画で、パリのレストランを舞台にした「ギャルソン」のアレックス(イブ・モンタン)の給仕姿や、何度も見たくなる映画の1本として紹介している「ベニスに死す」や「ロッタちゃんはじめてのおつかい」などの主人公も人形になって登場した。
また、高橋氏の知人の協力で、映画スターの顔写真が表紙を飾る1950(昭和25)年から1958(昭和33)年までの「映画の友」を同時に展示。同イベントのテーマ「映画劇場」を盛り上げ、より濃い催しとなって来場者を楽しませている。
高橋氏は、「毎回ブックアートに参加し、今回は、高山さんに絞り、ちまちま人形を展示した。高山さんが選んだ映画は、どれも好きな映画ばかりで好みが同じだった。苦労した作品の裏話を読みながら、1つ1つが細かく、寅さんの服の裏地やズボンのスレ具合も精密に作られている。この機会にぜひ楽しんでいただきたい」と話した。
●あとりゑ・クレール(梅ヶ枝21)
10月8日(木)まで12:00〜18:00 月曜日休館
●シロクマ食堂(色内3)
10月10日(土)まで11:00〜22:00 期間中無休(16:00〜17:30間、不在の時あり)
●市立小樽文学館(色内1)
11月3日(火)まで9:30〜17:00 月曜日(10/12除く)・9/30(水)・10/13(火)・14(水)休館
●博信堂書店(花園1)
10月10日(土)まで 不定休
●なまらや(花園3)
10月10日(土)まで12:00〜14:00・17:00〜22:00 日・月曜日定休・火曜ランチ休
●カフェレーゲンボーゲン(住吉4)
10月26日(月)まで11:00〜18:00頃 火曜日定休
●ヴェールボア(住吉11)
10月10日(土)まで10:30〜20:30(最終日〜15:00) 10/4(日)休み
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