小樽市議会第3回定例会の会派代表質問が、9月7日(月)13:00から、市役所(花園2)2階議事堂で開かれ、自由民主党・山田雅俊議員と共産党・小貫元議員が代表質問に立った。
今定例会の焦点となっている、5月から空席が続く副市長選任人事や参与問題、除排雪についての審議の行方に注目が集まり、傍聴席は椅子が足りなくなるほど大勢の市民が来聴しその行方を見守った。
代表質問の中で、自民党の山田議員は、「市長に求められる資質について」質問。「前回の定例会でも議案の否決や空転、議会日程の延長という問題が多く、市長の適性を理解しかねる。適格性を認識させるだけの経歴が見られない」と質した。
これに対し、森井市長は答弁の前に、「私は先の選挙戦を通し、市民の皆さんからの負託を得てこの場にいる。それは私の経歴を含めて様々な要因に対して、市民の皆様が考え決断をされた結果である。この質問は、私個人ばかりか、その負託をしてくれている市民の皆様の投票行為に対しての否定にも繋がりかねないもので、民主主義の根底にも触れかねない重大は発言だと感じている」と反論した。
この発言に関しては、事前に議会運営委員会で、総務部長を通じ、答弁の中で答えるように市長に伝えていたにもかかわず、市長は「答弁の中で答えるのが望ましいとの話を聞いたが、言うべきではないとは聞いていない」と、前定例会同様、議運との約束事に従わず、答弁の前に述べてしまった。
改めて発言をしたい旨を議運に伝えるのが筋だと、度々の市長の姿勢に、議員からは不満が募った。
「議会運営委員会を無視したのでは」と鈴木喜明議員が聞いたところ、市長は、「答弁の中で答えるのが望ましいとの話を受けたが、やってはいけないとは聞いていないため判断した」と回答。
安斎哲也議員は「市長の資質うんぬんとの質問は、品性を欠くものではない。議員の質問で言ってはいけないことでもない。これに関して、あえて市長が見解を求める発言をすることがおかしい」と述べた。
この市長発言を巡り、前回同様、またもや空転。議事整理のため休憩に入り、2時間後の17:15にやっと再開となった。
横田議長は、「議長に委ねられた最重要の責務は、正常の議会運営の実現にある。本会議の運営について、委ねられている議会運営委員会の重さを充分に認識され、委員会での議論については、出席された皆さんが、市長に対して細やかなニュアンスを含めて正確に伝えることが、正常な議会運営を行う上で重要。今後、このような空転が発生しないよう留意をお願いしたい」と述べた。
各会派や定例記者会見でも、議会で述べると言った副市長の選任理由について、森井市長は、「この度の副市長の選任は、通常の人事案件に倣ったものである。行政経験の豊富な方が適任であると考え、行政機関での経験のある方に絞り人選を進めたところ、市役所在職中に、すぐれた行政手腕を発揮された同氏に考えが及び、直接会い、就任の可能性について打診し、了承を得た。
また、政治資金規制法違反問題については、あくまでそれに関わっていたか、いないかではなく、私を応援してくれたか、くれなかったかでもなく、市民の皆さんに応えるべく公約の実現に向け、それを理解し役割を果たす方を第1に考えたところ、中村氏がもっとも適任であると考えた」と答弁した。
共産党小貫元議員からは、「副市長は、市長と一体となって市政を前に進めるには、提案人事を白紙に戻し、副市長人事について内部で検討する機会を設け、合意した人事を選任することを提案する」と市長の見解を求めた。
この提案については、「市役所在職中に様々な部所を経験し、また、すぐれた知識と能力を持った中村氏が、私の公約の実現に向けて市職員とのつなぎ役として、山積する課題を解消し、市民の皆さんの期待に応えてくれるもっとも適任な方と考え、現時点で白紙に戻す考えは持っていない」と答弁した。
参与人事については、「行政経験が多くはない私としては、1日も早く公約実現に向けた取り組みを進めたいとの思いから、特に除排雪に関しての豊富な知識と経験を有する参与の設置を急いだ。私なりに最善を尽くしたと思っている。6月の人事異動も、複数から職員の能力に関する話を聞き、その能力を把握し、評価をした上で、適材適所の配置に努めた。参与の件も含め、性急ではないかと心配されているが、私としても今後の市政運営にあたり心に止めておきたいと思う」と答えた。
8日(火)は、引き続き会派代表質問が行われ、注目の副市長選任議案について採決される予定だが、市議会各会派の動向を見ると、自民では1~2人の可決組を抱え、一時、会派が割れるとの憶測が流れた。新風小樽も可否で割れ、棄権に回るとみられている。
しかし、結局、自民・公明・民主、共産の会派が否決に回ることで、森井市長の副市長選任議案は頓挫することになりそうだ。
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