北海道に最初に鉄道が開通した1880(明治13)年11月28日を、「北海道の鉄道の日」にしようと、鉄道保存団体らが結束し提唱。制定に向けた記念行事が6月20日(土)を皮切りに、各地でイベントが企画されている。
北海道に待望の鉄道が開通して135年。最初に手宮から札幌まで走った1880(明治13)年11月28日を、「北海道の鉄道の日」にしようと、道内各地の鉄道遺産保存活動や鉄道愛好家が集まる18団体が実行委員会を立ち上げた。
NPO法人北海道鉄道文化保存会理事長・飯田勝幸氏が実行委員会代表を務め、風化しつつある北海道の鉄道の歴史を振り返り、先人の苦労と功績を顕彰し、135年前の「0マイルからの出発」の精神に立ち帰り、地域の再生と活性化を考えるきっかけを、鉄道ファンとともに道民が共有する記念日として、11月28日を「北海道の鉄道の日」にすることを提唱した。
そのオープングイベントが、6月20日(土)、北海道鉄道発祥の地となる旧手宮線・手宮駅の構内敷地を利用して設置する小樽市総合博物館(手宮1)で、撮影会や講演会・フォーラムが開かれた。
同館しずか号ホール横の野外展示場で、14:00から開会式が開かれ、関係者や鉄道ファンが見守る中、グラス07の演奏とともに、開拓仕様の蒸気機関車7106号しずか号が方向変換し、扉から顔を現した。
飯田代表は、「北海道に初めて鉄道が開通してから今年で135年となり、小樽手宮からアメリカ生まれの弁慶が札幌に向け11月28日に出発した。北海道の鉄道は過酷な条件の中で、一生懸命に北海道の開発のために仕事をした。北海道の鉄道が皆さんの意識の中に無くなってきているため、北海道の鉄道の歴史を振り返り、功績を改めて顕彰したいと思っていた。
135年を機に、北海道の鉄道の日を設けて、鉄道のドラマと存在を改めて考えてもらいたいと計画した。全道がひとつのレールの上に乗って北海道の鉄道の日の列車を走らせ、11月27日に札幌でイベントを開催し、夜中にカウントダウンをして、12:00にお祝いの乾杯を行いたい。10月14日の全国で行われている鉄道記念日とは別に、もう一度、北海道の鉄道を考え直し、北海道を改めて意識するイベントにしたい」と挨拶した。
「ジャンバラヤ」などカントリーミュージックが生演奏される中、札幌からロリータさん6名が参加して、撮影会が開かれた。
館内には、開拓仕様の7106形蒸気機関車「しずか号」をはじめ、数々の貴重な車両を展示。日本最古の機関庫の敷地内には、北海道に最初に敷かれた幌内鉄道の線路測量が行われた「北海道鉄道開通起点碑」が建立されている。それらをバックにロリータさんはポースを決め、カメラを持った鉄道ファンらが撮影を楽しんだ。
その後、同館2階研修室で、鉄道遺産について考えるフォーラムを開催。「0マイルからの出発ー北海道の鉄道とその変遷」と題して、同実行委員会幹事・田中和夫さん(鉄道研究家)による講演会が開かれ、30名が集まった。鉄道が完成するまでの様子などを詳しく解説。引き続き、パネルディスカッションが開かれた。
今後、各地で協賛記念イベントを開催し、制定への気運を高め、11月28日に宣言する予定。詳しくは北海道の鉄道の日。
問合せ 0134-61-7777 「北海道の鉄道の日」制定実行委員会事務局(NPO法人北海道鉄道文化保存会内)