実力派の作品46点集う!小樽美術協会展


 第47回小樽美術協会展が、市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリーで、6月9日(火)から始まり、実力ある45名の芸術家達が、水彩画・油彩画・版画・立体造形など46点を展示している。
kyoukaiten1.jpg 今年新たに日本画が加わり、白井正夫氏を偲ぶ水彩画の遺作も併せて展示し、心待ちにしている市民や美術に興味を持つ人々で賑わった。
 同協会は、現在、30〜90代の48名が所属。道展会員や市展委員等を務める会員が多く、レベルの高い作品展。会場で仲間の作品を見て、新しい技法や表現、画題の捉え方など、お互いに研鑽する貴重な機会となっている。
 会場には、会員それぞれが真剣に取り組み、個性を生かした具象画や抽象画で比較的大きな作品が多く、来場者にインパクトを与え、見応えがある。
kyoukaiten2.jpg いつもの作風と一味違った作品に取り組む作家も多く、島常雄氏の「Arcadia」は、3面の屏風に神殿のミロのビーナスを3つの角度から描いたインスタレーション(ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術)作品で、来場者の注目を集めていた。他にも、静物画が多い作家の風景画や、黒の色使いの印象が明るくなったりと、作風の変化も楽しめる。
 ナカムラアリ氏は、未知の胚(embryo)の標本をイメージしたインスタレーション作品「Abasis(基)2015」を出展。人体が横たわる様子を版画で表現し、生まれることを強調した作品だという。
kyoukaiten3.jpg 埋め立て前の運河や現在の運河、四季折々の運河を題材した作品も多く、小樽を代表する作家の貫禄を伺わせている。
 市内50代の女性は「配列のバランスが良く、見やすく展示されていると思ったのが第一印象。見応えがあり、今までとは違った色使いをしていたり、楽しめた作品展です」と満足した様子だった。
 同会・山田守之氏は、「市内ではレベルの高い作品展で、1年に1度の発表の場。ぜひ多くの方にご覧いただきたい」と話した。
 第47回小樽美術協会展 6月9日(火)〜14日(日)10:00〜17:00(最終日16:30)
 市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリー 入場無料
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