小樽市議会第2回定例会の予算特別委員会(斉藤陽一良委員長)が、6月30日(火)13:00から、市役所(花園2)別館第2委員会室で開かれた。
同委員会では、森井秀明市長が、自らの後援会の幹部を参与に任用し、月額30万円の報酬を支払う問題についての質問が集中した。
森井市長は、6月10日に、指揮・命令の権限もない市長のアドバイザーとして、小樽市では初の参与を起用した。しがらみの無い市政を望む市長だが、参与は、後援会の幹事代行と、しがらみだらけの人事となっている。元市役所職員で民間を経験した人物で、地方公務員法第3条第3項第3号に規定する嘱託職員として採用し、小樽市のALT(外国語指導助手)を参考に、報酬は月額30万円。
その採用に関する決裁の過程についても、一番に市長決済印が押され、担当部署の判は得られないまま、総務部長の判で代理決裁したことが明らかになるなど、問題点も多く、議員の理解を得られていない。
市の嘱託職員の人数は、4月1日現在、457名(水道・病院を除く)を受け、民主党・中村誠吾議員は、「嘱託職員が市民サービスのために働いている。その報酬は、10万円台から20万円台である。ワーキングプア(働く貧困層)が問題となっている非正規職員として、多くの方が働いている。市長の膝元に多くのワーキングプアがいる。参与の30万円の報酬や参与とALTが同じ位置付けになる意味について理解できない。額ありきではないか?」と、答弁を求めた。
市長は「参与は、役割の重みをしっかりと踏まえ仕事をしてもらいたい。そのことを前提に金額を設定した」と回答したが、質問の答えになっていないとして、委員会は度々ざわめいた。
中村議員は、「市民感覚からずれ、市民には理解できない。賃金差別だ。市長の一存で報酬が変わるのか?必死に働いている嘱託職員全体の報酬の見直しや、この事に関して、今後回答を用意してもらいたい」と要望した。
新風小樽・安斎議員も、参与について、「30万円の根拠がすでに破綻している。30万ありきの採用であったと感じる」と述べた。他に参与を任用している他市について調べ、金沢市と一致する部分があることにたどり着き、「金沢市の参与は現市長の後援会幹事長であり、かぶるところも多い。ALTを参考にしたのではなく、金沢市を参考にしたのでは?」と、質問した。
市長は、「金沢市の参与については確認している。小樽市では参与を初めて設置し、情報収集が不足だった。皆さんに納得してもらえるよう努力したい」と答弁した。
安斎議員は、「人事移動も大きく変え、ガタガタで、職員もついていかなくなる。補正予算を提出する前に、しっかりと規則を制定し、条例で明文化し、その上で参与は誰が良いか、改めて人選し、任用をし直してもらいたい」と市長の見解を求めた。
市長は、「参与の設置の仕方は様々で、あせり過ぎたのかもしれない。規則による設置は考えなければならない」と、これまでとは異なった答弁をしていた。
予算特別委員会は、7月1日(水)も13:00から開かれる。
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