小樽市議会第2回定例会の予算特別委員会(斉藤陽一郎委員長)が、6月26日(金)13:00から、市役所(花園2)別館第2委員会室で開かれた。
銭函のおたるドリームビーチに市営海水浴場開設のための補正予算案(議案第1号)を中心に審議が行われたが、全会派の反対で、1,290万円の補正案は否決された。
おたるドリームビーチの海の家が、11年間も建築基準法違反のままで放置され、今夏の開設が注目されていたが、森井市長は、仮に開設されなくても相当数の海水浴客が訪れ、無秩序な状態となることが想定され、来場者の安全確保や環境保全のため、緊急避難的な措置として、市で海水浴場を開設することとし、現場運営管理費や救護監視業務管理費、施設設置費など計1,290万円を計上し、7月17日(金)の開設に間に合わせるために、今定例会での先議案件として上程していた。
会場となる同委員会室に、多くの報道関係のカメラが並ぶ中、議案第1号についての審議が始まった。
自民党・山田雅敏議員は、ドリームビーチの現状について質問。建築指導課長は、「7棟が除却され、30棟が残っている。ドリームビーチ協同組合に、早急に撤去するよう働きかけ、道からは、組合を指導し、組合からは是正するとの文書が提出され、現在も撤去作業が続いている」と回答した。
自民党・鈴木喜明議員は、「来場者の安全確保、海浜の環境保全対策に1,290万円の予算をかけ、来年度以降は、組合による健全な海水浴場の開設を求め、将来的にも誰もが楽しめる海水浴場を目指し、経済効果を今後もたらせるようにしたいと市長は答弁しているが、昨年度は交通事故の影響で7万人、一昨年は14万人、その前は23万6千人が来場した。海水浴場を開設しなくても、相当数の海水浴客が見込まれると言われるが、何を根拠としているか、予算を絞れないか」と質問した。
観光振興室主幹は、「きちんとした根拠は示せないが、1万人以上来ると思われ、市営での海水浴場開設としたい」と答弁した。森井市長は、「少しでも経費削減したいと思っている。入札が低い金額で行われれば良い。トイレの数を絞ったり、予算を抑えて、計上した金額よりは下げていかなければならないと思う」と答えた。
公明党・千葉美幸議員は、「緊急的な避難措置としては、開設しない措置はなかったのかと思う。一番大切に考える市民や利用者の安全安心が守られるのか、早急に、違法状態を是正することが市の責務と考える。これから暑くなると、海岸へ行くと思う。万が一海へ来た人に、充分な安全が確認されない危険な場所であると表示し、隣接する場所に素晴らしい海水浴場ありと促す。撤去を早急に進めることが一番の安心安全を守る手段である。建築物の違法をそのままに、今年だけ開設するために1,290万円予算は必要ない」とした。
市長は、「3月31日までの除却をしてもらいたかった。残されたままで、組合との交渉はできなかった。一切、関与していない。海岸線に導かれた道路を防ぐことはできないし、駐車場に鎖をつけても何日持つのか。開設をせずに、入らないようにすることはできないため、皆さんに提案させてもらった」と回答した。
民主党・林下孤芳議員は、「安全対策や風紀の乱れのために、市営で管理する根拠について理解できない」とし、その後も、厳しい審議が続いた。
市長は、「海水浴場や海岸線を多くの人に楽しんでもらえるように、来年度以降、良い環境づくりに努めたい。北海道警察や海上保安庁などに、風紀の乱れを改善するために協力をお願いしたいが、常駐できないのが一番の心配。通報等があれば出動が増えると聞いている。連携を考えると、常駐者・管理者を現場へ配置して、懸念している現状が悪化の一途とならないように、市として責任を負うべきと提案し、原案通り可決することを望んでいる」と答えた。
新風小樽・安斎哲也議員は、「海の部分に勝手に建てて違法建築となり、市民の税金で行政代執行するのは、市民の理解が得られないと思う。勝手に違法建築し、2,000万円を回収できないものに、一時的にも支払うことは理解できない。軽々しく行政代執行の手段をとることはやめてもらいたい」と述べた。
市長は、「12月までに除却できなかったらどうするか、長引き、市の責任が問われる。行政代執行と成り得る。なにかしら対応しなくてはならない」と回答した。
予定した議員の質問が終了し、休憩に入り、18:50に再開した。
新風小樽は、ドリームビーチ開設経費について、市営開設としない大浜海岸安全環境対策費630万円として、減額の修正案を提出した。
安斎議員は、「来年を見据え、海の観光素材を生かすために、最低限の措置をして、安全面の確保のため、関係機関と連携し、来年度以降、組合のあり方も含め、より丁寧な議論を行うべきであり、止めることができない来場者の最低限の安全確保を行うべきである。その理由により、予算をそのまま可決することも否決することもできないため、規模を縮小し、安全面の確保のための修正案を提出した」と述べた。
「同修正案は、現場運営管理費は0、救護監視業務管理費の中で、ライフセイバー150名の人数を減らし、救助艇リースを2隻から1隻、ブイのリースも200個から100個、仮設トイレを20基から7基に、1,290万円から630万円に減額した」と説明。
採決では、修正案については、提案者の新風小樽以外の4会派(自・公・民・共)が否決。議案第1号平成27年度一般会計補正案については、自民・公明・共産・民主・新風小樽の全会派が否決とした。
6月29日(月)13:00から、本会議を再開し、議案1号と修正案について採決を予定し、終了後、予算委員会が開かれる。時間については未定。
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