小樽市(森井秀明市長)は、5月26日(火)11:00から、市役所(花園2)本館2階市長応接室で、定例記者会見を開いた。
森井市長は、完全に把握しきれていないとしながらも、「財政状況は想像以上に硬直化していると実感した」。「公約実現に向け歩み出したいが、その予算の捻出に時間がかかり、市民へ情報をオープンにして取り組みたい」 としながらも、戸惑いの表情を覗かせて、市長就任後、約1ヶ月を振り返った。
また、 副市長を含まない幹部級人事移動については、6月1日付けで行う。副市長は、6月の定例会までには目処をつけたいとした。
会見項目の「平成26年度小樽市観光入込客数」について報告。
「平成26年度の観光入込客数は、744万7,800人となり、平成25年度より34万100人増加し、対前年度比は104.8%となり、3年連続の増加となった。
内訳は、道外客は、上半期は減少したものの、下半期では、中国人をはじめとする外国人観光客が大幅に増加し、対前年度比113.6%の226万4,400人となった。
道内客は、小樽ドリームビーチ付近の交通事故により海水浴客が減少したが、NHK連続テレビ小説「マッサン」の効果により、対前年度比101.4%・518万3,400人となった。
外国人宿泊客数は、対前年度比135.3%・9万8,610人となり、2年連続で過去最高を更新した。旧正月「春節」時を中心に中国が急増し、対前年比273.9%とトップ、次いで、台湾、香港となった。
その一方で、修学旅行宿泊客数は、平成26年度は1万5,128人で、前年より2,443人減少し、宿泊学校数も前年に比べると21校減少している」とした。
《質疑応答》
Q:財政硬直化が思ったより進んでいると述べたが、歴代市長は、自らの給料を削減しているが、どう考えるか。1月半で市長にも相当なボーナスが支給されるが、どう対応するのか?
A:財政状況は、完全に把握できていない。市民の皆さんにしっかりと伝達することが私の役割。硬直化の状況を市民に伝え、給与やボーナスについても、市民に伝え、先々に判断し、現時点では、判断しきれていない。
Q:市内大規模施設の耐震診断結果が出て、数値は極めて低く、とても地震に対応できる施設ではない。その事については?
A:すべての施設の審査を終えてから、命に関わることなので、計画的に取り組みたい。現時点では、そこまでしか話せない。1日でも早く耐震工事を行いたいが、この街の財政状況を垣間見ながら、計画的に行う必要がある。優先順位の高いところから実施したい。すべての結果が出てから、この町の財政状況に見合った進め方を行いたい。
Q:地震はいつ起こるか分からない。防災の拠点となる市役所への対策は、一刻も早い方が良いのでは?
A:この庁舎は地震には耐えられないと思うので、1日も早く防災担当と考えていきたい。耐震診断を今ここで、国からの指針を示されてから慌ててやることは本来間違っている。今まで行われていなかったことにがっかりした。これだけ、古い建物が多い小樽なので、国より先駆的に行うべきだった。今後、耐震構造に見合わないところを、改善していきたいが、膨大な金額がかかり、災害はいつ起こる分からないが、少し先を見据えてひとつひとつ対応したい。
Q:いつ耐震診断の結果が出るのか?
A:総合管理計画のカルテを作り、平成27・28年度で策定する。人事移動の中で、総合管理計画を策定するスタッフを新たに配置するよう計画している。(総務部長)
Q:ドリームビーチについて
A:法に見合わない状態のままでは、営業できない、北海道との協議の結果だ。安全面や様々な問題が起こらないよう調整中。
Q:市営海水浴場開設については?
A:検討中。明日27日に、協議すると聞いているが、27日までに答えることとは思っていない。市営海水浴場は協議のもと、早い時期に判断し決めたい。就任して1ヶ月、最大限に取り組んでいる。もう少し待ってくれてもいいのでは。時間がかかっている。様々な出来事やアクシデントがあり、相手側に理解を得ながら、一生懸命取り組んでいるところと弁解した。
Q:市営はやりたいかやりたくないのか?
A:最終判断に至ってない。市営を含めて検討しているところ。
Q:原発反対の立場からの具体的行動は?
A:何も決めきれていない。原発について話を聞き、原発の事故が起きたなら、大きな影響を及ぼすだろう。30km圏内ではないが、現状の枠組みへ小樽市を入れるよう提言していきたい。