商大生チーム 外国人に優しい英語マップ完成


 小樽商科大学の留学生を含む1~4年の学生8名が、小樽港に寄港するクルーズ客船の外国人乗船客を対象に、小樽中心部へのアクセスや観光名所・貨幣交換に役立つ銀行などの情報を盛り込み、外国人にとって分かりやすい英語表記のマップ(A4判3つ折・1万4千部)を、4月16日(木)に完成させた。
 同事業は、小樽商科大学地(知)の拠点整備事業(COC事業)の一環で、小樽クルーズ客船プロジェクトチームを結成し、昨年10月にスタートさせた。ヒアリングやアンケート調査を実施し、観光客が楽しめる情報を収集し、英語表記の小樽マップを作成した。
 同プロジェクトチームは、小樽商科大学准教授・井上典子指導教員と1年生から4年生までの留学生3名を含む男女8人がメンバーとなり、小樽市港湾部観光振興室・中野弘章室長が監修した。
tourismmap.jpg 代表で3年の吉田茉代さんは、「勝納ふ頭から市内すべてを包括したマップは、今までない。地図上には、ランドマークとなる建物等のイラストを載せ、ウイングベイ小樽や小樽駅周辺、堺町通り商店街をパステルカラーで色分けした。
 クルーズ客船の乗船客のために、Wi-Fiスポットや貨幣を変換するための銀行を紹介し、短い滞在でも楽しめる観光地の情報を掲載した。従来発行されているマップを見て改善点を見つけ、便利なレイアウトを追求した。表面と裏面の情報を分け、裏返して見たりする必要のないようにした。
 正確な英語表記をするために、井上先生と中国・韓国・フランスの留学生の力を借りて、より分かりやすく実用性も追求した。マップを通じて、小樽を世界中の人々に伝えたい」と説明した。
 同大学では、能動的な学習への参加を取り入れた、アクティブ・ラーニングを推進。クルーズ客船入港時のボランティアや観光に関わる6名にヒアリングし、小樽駅で、外国人観光客126人にアンケート調査を実施し結果を集計。
 外国人にとって、小樽で何を食べたいか、何が必要かが分かり、バスや電車の乗車法方や切符の買い方なども掲載。参加した学生は、様々な制約の中で、同事業と学業を同時に進行させ、3月末まで製作に尽力した。
 井上准教授は、「単位を取得するためのものではなく、単位以上の様々な苦労があり、素晴らしい経験となった。メンバーの留学生に、日本人が当たり前に思うことに、外国人としての意見を求め、役立つマップが出来上がった」と評価した。
 フランス人留学生のElisa Rissoさんは、「プロジェクトを聞いた時、良いと思った。バスや電車の乗り方が分からなかった。他の観光客にも活用してもらいたい」と話した。
 同マップは、4月27日(月)入港のクリスタルシンフォニー乗船客に初めて配布され、その後、各クルーズ船入港時に設置するインフォメーションセンターに配置する予定。
 小樽港クルーズ客船寄港予定
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