英語のパンフレット完成 鰊御殿が営業開始


 冬期間閉鎖中の小樽市鰊御殿(祝津3)が、雪解けとともに今年度の営業を、4月4日(土)から開始する。
 それに合わせ、従来のパンフレットを更新し、より分かりやすい外国人対応の英語のパンフレットの製作に取り組み、この程、完成した。B4サイズ3つ折り・発行部数2,800部。本日4月3日(金)から、市内の観光案内所へ配布した。
nishingotenpanf.jpg 鰊御殿は、1897年に、網元の田中福松氏が積丹半島西部に竣工した番屋で、現在の場所に移築し、北海道有形文化財鰊漁場建築に指定。館内には、鰊漁に使用された道具や番屋での生活道具、当時の写真を展示している。
 小樽市鰊御殿指定管理者の株式会社小樽水族館公社は、海外から訪れる観光客に分かりやすい内容のパンフレットを検討していたところ、小樽商科大学の井上典子准教授率いるゼミ生11人(4年生)が、文部科学省の地(知)の拠点整備事業の一環として、パンフレット制作に参加し、「小樽市鰊御殿英文パンフレットプロジェクト」を立ち上げた。
 小樽市総合博物館の石川直章副館長からアドバイスを受け、日本の文化や歴史が分からない外国人の目線に立ち、内容が通じるよう充実させた。
 同ブロジェクトのリーダー山田藍翔さん(4年)は、昨年2月にニュージーランド・ダニーデン市のオタゴ大学に留学した経験を活かし、11月頃から、ゼミ以外の日も週1〜2回は集まり制作に励んだ。
 解説で、漁の方法として、刺し網や置網などは、図を用いて分かりやすくし、日本語特有の専門用語を、的確な英語を探し出すのに苦労したという。その中で、鰊御殿での御殿が”番屋”の意味であるのを、どの言葉にするか話し合い、「ロッジ」として表記した。
 井上准教授は、「日本語の意味が一番合う言葉を探す苦労もあったが、満足のいくものができた」と話した。
 プロジェクトチームのメンバーは、「パンフレットの制作に携わり、いかに大変かが分かった。写真を増やすなど工夫した。多くの外国人観光客が、このパンフレットを読み、興味をもってもらいたい。そこから、観光の発展に繋がれば、制作した甲斐がある」と話した。
 小樽市鰊御殿
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