定例市長記者会見が、2月17日(火)16:00から、小樽市役所本館(花園2)2階市長応接室で行われた。平成26年度補正予算、平成27年度当初予算および市議会第1回定例会の提出議案等について、市長が概要を説明した。
平成27年度当初予算は、改選期であることから「骨格予算」として編成。本市では、人口減や制度改正などにより市税が減少し、地方消費税交付金の増は見込まれるものの、骨格予算とはいえ、引き続き、財源不足が生じ、財政調整基金の取り崩しによる財源対策で、収支均衡予算を編成した。
電気料金の値上げによる町内会等の負担軽減を図るため緊急性の高い「街路防犯灯のLED化助成」を3ヵ年で実施。今年度は、約1億5,000万円の事業費を計上した。防災減災対策として、避難所の機能強化をはじめ、避難誘導看板の設置費も計上した。
高齢化が進む本市は、高齢者に対する福祉相談や支援の充実が求められ、現在、市内3ヶ所設置の地域包括センターでは、相談件数は、年間832件が昨年1,744件と倍増した。中部地域包括センターを2つに分割し、南部地域包括センターを、済生会小樽病院内に設置する。子ども達の教育環境を整えるため、校舎など改築事業を中心に教育予算を厚くするよう予算編成した。
一般会計の予算規模は、550億5,000万円で、26年度当初予算と比べ、11億4,000万円の2.0%の減。特別会計と企業会計を合わせ、市の全会計では、新市立病院建設事業費の減などにより、98億円7.8%減の1,151億6,000万円となる。
財政状況の悪化により、平成16年度から職員給与の独自削減を行ってきたが、平成22年度の累積赤字を解消することができ、昨年の第1回定例会において、本年度の独自削減率を2分の1に圧縮する条例案を提案し議決した。すでに10年が経過し、赤字が生じておらず、独自削減を解消する。市長や副市長、教育長については、引き続き、独自削減を継続。
◎平成27年小樽市議会第1回定例会提出予定議案
◎予算総括表
国の補正予算(経済対策)である「地域住民生活等緊急支援のための交付金」の「地域消費喚起・生活支援型」においての対象事業メニューとして、小樽市では、市内で1万円で1万2,000円分の買い物ができる「プレミアム付き商品券」と子育て世帯の経済的負担を軽減する「子育て応援商品券」を発行する。
平成26年度補正予算に計上(平成26年度一般会計補正額は5億3,500万円で、そのうち新交付金関係が5億2,000万円)、市内経済の活性化と活力あるまちづくりに取り組む。
プレミアム商品券は、1セット1万円(1万2,000円相当)を、10万セット発行し、18歳以上を対象に予約販売を行う予定。7月1日から12月末までの使用期間。国の交付金15%と道の補助金5%で事業を行う。◎プレミアム商品券
子育て商品券は、平成27年4月1日現在、市内在住の18歳未満に、4,000円分の商品券を世帯主に支給する。約15,500人を見込み、支給総額6,200万円は、国の交付金を活用する。使用期間は7月1日から12月末まで。◎子育て商品券
また、地方創生については、地場産業の振興や企業立地の促進、さらに観光振興を通じて、働く場の創出や拡大を図るため所要の予算1億8,833万円を計上した。
地場産業の振興については、小樽港の物流促進のために、ロシア沿海地方の市場調査の実施や、関東関西エリアにおけるポートセールスの強化。
観光振興については、外国人やクルーズ客船の乗客から要望の高い、Wi-Fi環境の整備を行う。
子ども達への事業は、市内の保育所・幼稚園・子育て支援センターに対して、絵本や遊具の充実、イベントなどの会場で、授乳やおむつ交換のための移動式赤ちゃん駅の整備、市内の小学校全学級にデジタル機器の整備(実物投影機など)を行う。
空家対策では、移住促進の観点からも利用や活用を検討する資料を作成するために、調査を開始する予算を27年度に繰越実施する。
質疑応答では、
昨年の7月に事故のあった小樽ドリームビーチに通じる道路を歩行者専用道路にするかについての質問があり、市長は、「当初、歩行者専用とし安全を考えたが、現地を調べると、札幌側にもう1本ある道路に、車両が集中し渋滞する可能性があり、歩行者専用ではなく、車も通れ、柵をつけて歩行者も安全に通行できるような方法を考え、小樽市が管理している道路550mの片道にガードレールを設置するようにし、幅を狭ばめずに、歩行者スペースを確保する」とした。
また、ドリームビーチの海の家と関連施設44棟が、建築基準法上必要な1年ごとの撤去の、11年間違法状態を黙認していた問題について質問があり、市長は、「コンプライアンス委員会から、許可の期間と撤去の確認があり、ドリームビーチは、市内でも大きな組合であり、配慮してきたが改善されていないため、今後、3月末までに建物の撤去をしなければ、新たな許可を認めない」と答え、「違法を放置してきたのは市の責任だ」と認めた。