生誕100年記・加藤清江メモリアル展 共育の森学園


 小樽出身の画家で、女子スキーの草分け的存在だった「加藤清江メモリアル展~パリの回想~」が、10月4日(土)から11日(土)まで、学校法人共育の森学園(入船4・旧小樽短大校舎内)で開かれている。
katokiyoe1.jpg 長女の峰さんが、母親の作品の風景を頼りに、フランスを訪ね、足跡をたどり、作品の原風景を撮影した写真が、展示中の絵に添えられ、来場者は見入っていた。
 2010(平成22)年に、峰さんから「母の作品を活用してもらいたい」と、同学園へ約60点が寄贈された。その年の10月に、「小樽で生まれ育った画家~加藤清江特別展」を開催し、教室やロビーに展示し、峰さんのトークショーも行われた。
 このほど、新たに、地域社会の芸術文化振興に役立ててもらいたいと、約50点ほどの寄贈があり、生誕100年を記念してメモリアル展を開催。同学園のロビーの常設展示会場の作品を入れ替え、さらに、1階玄関と4階までの教室に会場を増やし、1972年から1984年の作品43点を展示している。
katokiyoe2.jpg 加藤清江氏は、1914年に小樽天狗山の麓の牧場で生まれた。18歳で道展に初入選し、市長賞・長官賞などを受賞。のちに、道展会員、一水会会員となる。札幌での個展や、4回の渡仏で、パリの風景や裸婦像など多数作品を制作。フランスでも個展を開催している。
 また、スキーを得意とし、全国スキー大会の滑降・回転競技で優勝。スキーコーチと結婚、2児の母となる。冬季オリンピック大会の役員として参加。49歳までスキーの大会に出場した。50歳からは、個展を開いたり、絵画制作に精力的に取り組み、1999(平成11)年、85歳で亡くなった。
 メモリアル展は、1階正面玄関から作品が展示され、2階では、自画像や人物、家族の肖像を展示。同階ロビーは、常設展示されていて、今回作品を入れ替えた。3階は、受付があり、OTARU聖ケ丘ギャラリー実行委員会の会員が、絵画展中は常駐している。
katokiyoe3.jpg フランスで描かれたリュクサンプール公園やフォンテンブローの教会や森などを展示し、峰さんが、2006年10月・2007年5月・2009年10月にフランスを訪ね、原風景を求めて撮影した写真が添えられている。中には、清江氏が宿泊したホテルや、裸婦像の描き方を学んだ場所にも行っている。4階には、すいれん・花・風景画を展示している。
 同実行委員会の会員は、「生誕100年を記念して絵画展を開催している。清江氏の風景画と、原風景の写真を照らし合わせて見てもらいたい。11日までの開催となるが、それ以降も常設展示しているものもあり、事務所へ声をかけていただければ、ご覧いただけます」と話していた。
 なお、10月11日(土)は11:00から12:00まで、「母の足跡をたどって」と題して、長女峰さんが、母親の思い出や作品を紹介するトークショーを予定している。
 加藤清江メモリアル展~パリの回想~ 10月11日(土)までの10:00〜16:00 入場無料
 学校法人共育の森学園(入船4・0134-27-4600) 休園日:土曜日・日曜日・祝日
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