市民が日頃取り組む芸術を発表する場「小樽市文化祭」で、10月22日(水)から「ちぎり絵展」、23日(木)から「合同華展」が、市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリーで始まった。
ちぎり絵展は、白鳥照子さんが講師を務める「にじの会」(会員25名)有志の作品109点を展示。和紙の柔らかな素材を活かし、風景や果物、花々をモチーフに、作品がずらりと展示され、来場者の心を和ませている。
ちぎり絵は和紙を使い、専用のペンで描きたいものを印付けし、紙をちぎって和紙の風合いを引き出し、台紙に貼って製作する絵画。教室では、教材キットを使用するが、同じ教材でも作る人によって違う作品となり、それぞれに個性が出る。絵柄の手本を使ったり、オリジナルで描いたりと自由に思い思いの作品を出展している。
1つの額の中に5つのちぎり絵を収めたオリジナル作品を出展した松村喜与子さんは、「ちぎり絵を始めて4年目。もともと絵を描くのが好きで、ちぎり絵は、絵に近づけさせるように作品づくりをしている。絵画には出せない和紙の柔らかい雰囲気を出すように工夫し楽しんでいる」と話した。
白鳥代表は、「教室で学びながら製作した作品など、ここ1年学んだ集大成を発表している。この機会に、ちぎり絵の素晴らしさを感じてもらいたい」と話した。
一方、合同華展は、市内の3つの華道教室とアートフラワー教室の作品を一堂に楽しめる展示会で、華道関係者や花好きな市民らが、ひっきりなしに会場へ訪れ賑わった。
草月流北海道支部グループ緑の9名9点と、小原流小樽支部の17名17点、深雪アートフラワー遠田絢子教室10名13点・華道家元池坊小樽支部の22名18点の計57点を展示。今回は、池坊小樽支部が運営にあたった。
会場には、テーブルの上に4つの教室ごとに展示され、それぞれの流派の特長を活かし、様式や技法に基づき花を生け、個性が光る華道展。
花の世界は、生花ばかりではなく、遠田絢子教室では、白い布を染めて本物そっくりな花々を作品にしている。同教室では、長年通っている生徒が多く、小樽市の文化祭ということで、それぞれ自由に好きな作品を出展し、講師も会場で初めて目にする作品も多い。
谷坂委玖子さんは、「白い布に絵を描くように花びらなどを作り、色を塗る作業が楽しい。いくつかのコテを使いカーブをつけ生きているように花を作っている」と話した。
遠田さんは、「合同展は、それぞれの華道の個性を活かした作品が並び、他の作品を観察し勉強になる。気に入った花をじっくり見て自分の作品に活かす。匂うような、花弁に触ると散るような、本物に近い造花を目指している」と話した。
池坊小樽支部では、1つ1つの花が良く見えるように、可愛い花は可愛らしく、秋らしい花材を選び、それにあった花器に生け表現している。花器も作品にとっては重要で、全体をイメージして生けている。
栗栖玲子さんは、「今回の作品は、花器を先に決めて、それに合う花をイメージし、千日紅(センニチコウ)が映えるよう、1輪の花の美しさを大切に、決まりに添った中で、工夫をして作品に仕上げた」と話した。
同支部合同華展運営担当者は、「秋の彩りを感じてもらい、各々の流派の違いを見て楽しんでもらいたい。皆さん頑張った作品ばかりで、心も和むと思う」とPRした。
和紙ちぎり絵展 10月22日(水)〜26日(日)
合同華展 10月23日(木)〜26日(日)
10:00〜17:00(最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリー