9月1日防災の日 総合防災訓練実施

 9月1日は、関東大震災が発生した日であり、暦の上では二百十日にあたり台風シーズンを迎える時期でもあることから、1960(昭和60)年から「防災の日」と定め、全国各地で防災訓練が実施された。
0901bousaiday1.jpg 小樽市でも大規模の総合防災訓練が、9月1日(月)13:00から15:50頃まで、色内埠頭(色内3)を会場に、小樽警察署・小樽海上保安・北海道ガス株式会社・市内ボランティア機関や後志管内の消防本部など、訓練参加機関29機関・359名が参加し、車両38台・船舶7隻が出動し、訓練想定15項目について実施された。防災ヘリやドクターヘリの運用訓練は、出動につき中止となった。
 訓練想定は、9月1日13:10頃、北海道北西沖を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生。小樽は震度7で、小樽市沿岸地域に津波警報を発表。市内各地で木造家屋が倒壊。海上では津波の影響で、船舶から重油が流失、火災が発生。道路の損壊・亀裂・がけ崩れが発生、交通網が寸断。ライフラインにも重大な被害が発生していると想定し、本番さながらの訓練が行われた。
0901bousaiday3.jpg 小樽市社会福祉協議会や小樽ボランティア会議、南小樽地区連合町会によるレスキューキッチンによる炊き出し訓練が行われ、200人分の豚汁を調理した。また、会場に、北海道コカ・コーラボトリング株式会社小樽営業所が、災害対応型自動販売機を設置。災害発生時に、自治体の判断で飲料の無料提供が可能で、市内には、災害時対応の自動販売機を16台設置している。周知を兼ねて体験してもらいたいと、自動販売機から飲料を無料で提供した。
 水道局と小樽市官工事業協同組合は、水道官破裂によるバリケードと仮設給水所の設置作業を迅速に行なった。
 小樽市地区赤十字防災ボランティア会は、毒劇物災害対応訓練と多数負傷者対応訓練に、16名が参加した。地震により倒れた電柱をかわそうとした毒劇物積載車両(液化塩素)とバスが衝突。毒劇物が漏洩し、多数の負傷者が発生。同会では、軽傷者11名の応急措置を行なった。
 グリーンシート内で、左膝擦過傷の負傷者には、日本手拭四脚帯の手当を、左前腕骨折者には、ダンボールで固定し、パンストで腕を吊すなどの応急措置を行い、無事訓練を終了した。

 負傷者の重傷度・緊急度判断するトリアージポストを設営し、小樽病院DMAT(災害派遣医療チーム)も訓練に参加し、エアーテント内で重傷者に応急措置を行なった。
 津波の影響で船舶から重油の流失事故が発生し、オイルフェンス展張作業や吸水マットによる回収作業、船からの放水による攪拌処理作業が実施され、訓練を通じて手順の確認を行なった。
 最後に、船舶火災や海中転落者が発生し救助。はしご車などの消防車両が集結し、消防団も加わり、一斉に放水し、船舶火災は鎮火した。すべての訓練が終了し、参加者は、グランドに整列し、閉会式が行われた。
0901bousaiday2.jpg 小樽市防災会議中松義治会長(市長)は、「相互の協力体制の強化や防災技術の向上、また、市民の防災意識の高揚と防災知識の向上を図ることを目的としている。本日は、本番さながらの訓練を実施し、皆さんの迅速かつ的確な行動を目の当たりにして、大変心強く感じた。短時間に局地的な大雨によって起こる災害が頻発している。広島市内では、災害により多くの尊い人命が失われた。
 また、礼文島においても同様の災害が起こっている。災害はいつどこで発生するかその予測は非常に困難であり、我々の経験や想像を遥かに超えた規模の災害が起こることを想定し、備えなけらばならないと痛感している。本日の訓練の成果を踏まえ、地域住民の安心安全を確保するために、相互の連携を密にし、各種の災害に備え、避難体制などの万全を期してもらいたい」 と講評を述べた。
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