余市栄町の砂浜(日本海余市保養センターはまなす温泉の裏海岸)で、よいち縄文野焼きまつり(仲鉢浩実行委員長)が、8月2日(土)17:00から始まった。同まつりは、1997(平成9)年に始まり、ほぼ毎年開かれ、今年で17回目を迎えた。
小樽・余市・札幌近郊からの陶芸愛好家による290点の作品が、砂浜に火を起こした中で野焼きされ、家族連れや関係者らは、海岸にテントを張り、泊りがけで参加した。
野焼きとは、カマドを使わず、砂浜に、幅1.5m・長さ18mの砂を盛って築堤を作り、粘土を使い自由な発想で製作したオブジェや器などの作品を並べ、火を起して絶やさないよう、薪を焼べながら見守り焼き続ける。
参加者は1人2点までの作品を持参し、砂浜には300人以上の人が集まり、青空が広がる絶好の野焼き日和となった。
18:00には、縄文時代を意識して原始的な火起こしが行われ、来場者が取り囲んで様子を見守る中、15分ほどで火起こしに成功。火種を慎重にたいまつに移し、次々と野焼き場所に点火した。次第に大きな炎が作品を包み込み、浜辺に幻想的な光景を醸し出していた。
太鼓演奏グループが奏でる太鼓の音が砂浜に響く中、野焼きの炎が煌々と燃え上がった。縄文太鼓奏者・茂呂剛伸氏の演奏も行われた。来場者らは、作品の焼き上がりに期待を寄せ、幻想的な光景の中、短い夏の夜を楽しんでいた。
江別市在住の中村仁美さんは、今回3回目の参加で「今回の作品は、実用的な作品にしようと、レストランで壊れた食器の破片を底にあしらった植木鉢を作った。どう焼き上がるか実験も兼ねて楽しみにしている。大学の陶芸サークルでこの野焼きを知り、最初は、みんなと一緒に参加していたが、卒業後も参加している。今までの作品は大切に飾っている」と話した。
仲鉢実行委員長は、「作品が完成した時のみんなの笑顔が見たくて、スタッフが協力している。企業や個人からも賞品寄贈の協力もあり感謝している。若い方の参加も年々増えていて、今後も続けていきたい」と話した。
3日(日)9:00から同会場で表彰式が行われ、芸術家・作家の中村小太郎氏(故岡本太郎氏の弟子)らが審査員を務めた。
野焼きされた作品は、8月30日(土)から31日(日)に、運河プラザ(色内2)開催の「おたる縄文の集い」で展示される予定。
◎よいち縄文野焼きまつり
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