小樽市消防署では、春の行楽期を迎え不測の事故に対応する為、天狗山ロープウェイ合同訓練を実施した。
多くの観光客が利用する、天狗山で運行しているロープウエイが、突然停止したことを想定した救助訓練を、中央バス観光商事株式会社と合同で、4月16日(水)14:00から、天狗山ロープウェイ(最上2)山麓駅から、約70m地点で行われた。同訓練は、ロープウェイ運行当初から継続して行われ、昨年は中止となり2年ぶりに実施した。
消防署員12名と中央バス観光商事株式会社職員8名が参加し、車両3台(指揮車・はしご車・救助工作車)が出動した。
乗客3名を乗せたロープウェイが、山麓駅を13:50に発車し、約70m地点で、電気系統故障のため突然停止した。救助要請を受けた消防署員が、現場に駆けつけ、ロープ等を担いで残雪の斜面を上った。
消防署救助隊員が、風向きなどを考慮して、救命索発射銃を上空に打ち上げてロープをかけ、2名の消防隊員がロープを使いスルスルとゴンドラに上り、上部ハッチを開け侵入し、ゴンドラ内に設置してある避難器具の緩降機で、3名の乗客を降下させ、無事に脱出させた。
まだ積雪状態の山の斜面とゴンドラとは、約10m程離れていたが、隊員が現場到着後、30分以内に無事救助した。
乗客を降下させた後、救助隊員は、ロープを伝って降下した。その様子を、非番の消防署員10名ほどが見学していた。
小樽市消防署・村木政己署長は、「市民と観光客の安心安全を守るために実施され、2年ぶりの訓練で、ロープが絡むアクシデントがあったが、迅速に対応し、全体にも良かった。何十時間もゴンドラの中に閉じ込められたとういう事例が各地であるが、そのようなことが起こらないよう、迅速にできるように訓練を行った。若い隊員が経験を積み、休みの隊員も今後の訓練に活かそうと見に来ていた。中央バスの職員にも、使い方を学ぶために行った。署に戻り、訓練を検証し今後に活かしていく」と講評を述べた。
天狗山ロープウェイは、4月18日(金)まで整備安全点検を行い、19日(土)9:30から夏季営業が始まる。同ロープウェイは、30人乗りで、山頂まで4分で到着。山頂からの景色は、雄大で石狩湾や暑寒別・増毛連峰や積丹半島までも一望できる。展望台からの夜景は、北海道三大夜景と言われ、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで1つ星に選定され、全国各地や海外からの観光客で賑わっている。
◎天狗山ロープウェイHP
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