ゴマフアザラシ2頭が相次いで出産!微笑ましい親子の姿

 おたる水族館(祝津3・伊勢伸哉館長)では、今か今かと待ち望んでいたゴマフアザラシ2頭の赤ちゃんが、4月7日(月)早朝に無事出産し、同館海獣公園出産プールで公開中。
 同水族館では、3頭のゴマフアザラシの妊娠を確認し、3月末から4月上旬を出産予定とし、首を長くして待っていた。その内の1頭「まなみ」は残念ながら死産してしまい、後の2頭「かーさん」と「すもも」の安産に期待を寄せていた。
aqua-gomafu.jpg 7日(月)4:00、出産7回目の経産婦であるかーさん(29歳)が出産し、続いて6:00にすもも(13歳)が出産した。ゴマフアザラシは、2011年の3頭の出産以来、3年ぶりとなり、職員一同が喜んでいる。
 すももは初産で、上手くお乳を与えられていないと判断し、母親と別室で人工哺育している。すももの赤ちゃんは公開していない。
 今回は、国内ではあまり例の無い、母親のお乳を搾乳して子どもに与える方法で、ゴマフアザラシの人工哺育を行っている。乳脂肪30%もある栄養面や抗体面など、母乳に勝るものはなく、同館スタッフの日頃からの接し方など努力の結果が現れた。
 9日(水)、同館海獣公園にある出産プールでは、かーさんと生後3日目の赤ちゃんの微笑まし姿を見ることができ、来館者は目を細めて眺めていた。
 推定で約体長85cm・体重約10kg、性別は不明。体毛に覆われ、へその緒をつけたまま、母親に寄り添うように日向ぼっこをしたり、お乳を飲んでいる。
 生後2日目には、水に入る成長の早さを見せ、3日目には、母親が先に水に入り、こっちへおいでというように、赤ちゃんアザラシを水中へ招いた。
 最初は、溺れそうになりながらも、見る見る内に泳ぎが上達し、1時間後には、スイスイと泳ぎ回り、水中では目を開け、息を止めて、達者な泳ぎを披露した。どんどん成長しているのが分かる。
 ゴマフアザラシは、3週間ほどで乳離れをし、体毛も2週間で抜け落ち、母親と同じ皮膚となり、小型のゴマフアザラシに成長する。
aqua-gomafu1.jpg かーさんの子育ては、放任主義で、子どもが母親を必要とする時だけに応じ、普段は、自分のくつろげるスペースでのんびり過ごしている。ゴマフアザラシの子育てから人間も学ぶことが多いそうだ。今ショーに出られるようにするか、他の水族館へ移動するか、今後はまだ決まっていない。
 伊勢館長は「生命の誕生に携わることができ、喜びもひとしお。しっかりと育て管理をする責任が当館にはある。今後の繁殖に寄与することも重要な役割。出産や人工哺育など、技術的にも向上できる機会となる。生き物達にストレスを与えないよう、赤ちゃんに良い方法を選んでいる」と話した。
 水族館ファンの市内の女性は、「生まれた当日も見に来て、段々と成長しているのが分かる。可愛らしい」と話した。
 4月中までは、お乳をねだる赤ちゃんの可愛い鳴き声や、かーさん親子の微笑ましい姿を見ることができる。
 一方、トドの出産は、5月下旬から6月上旬がシーズンとなる。今年は、妊娠中のトドがいるかは、今のところ分かっていない。
 おたる水族館HP
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