小樽の中心商店街・サンモール一番街に13軒の屋台が並ぶ、おたる屋台村”レンガ横丁”(稲穂1-4)に、地主(株式会社富士メガネ・本社札幌)から10年間の土地賃貸借契約を更新しないとの「更新拒絶」通知が届き、存亡の危機に立たされ、その行方に注目が集まっていたが、地元の西條産業株式会社・西條文雪社長が、新地主として名乗りを上げ、2月18日(火)に土地売買契約を済ませ、同横丁の存続に決着がついたことが分かった。◎関連記事
小樽商工会議所の副会頭を務める西條文雪氏は、同横丁にしばしば顔を見せる屋台愛好者でもあり、同問題の行方に関心を寄せていた。当初は、自らが表に出ることは予想もしていなかったが、地主の富士メガネ側が、屋台村を経営する有限会社おたる屋台(斎田義孝代表取締役)に、不信感を募らせ、けんもほろろの対応で、契約更新に取り付く島がない状況で、こう着状態に陥っていた。
このデットロック状態を解消する方策を検討する中で、同敷地に隣接して、病院や介護施設などを造る大規模再開発が進んでいることもあり、街の活性化のためにも早急な解決が望まれていたことから、同氏が、富士メガネと土地売買交渉を重ね、このほど契約締結にこぎつけ、新地主として登場し、同屋台村の経営を引き継ぐことになった。
西條氏は、「富士メガネの社長さんは、小樽の経済人に不信の念を募らせており、小樽の会社には直接売らないとのことだったので、札幌の会社に仲に入ってもらい、2月18日に土地売買契約書を取り交わしてもらった。当面は、土地の貸付を受け、屋台村を引き継いだ上で、西條産業内にあり自分が社長を務める西條保全株式会社が土地の所有者になる。契約が決まったので、テナントに、2月20日(木)15:00から、屋台村の斎田社長とともに説明会を行なう。屋台村を引き継ぎ存続させることで、テナントに安心してもらい、小樽の街の活性化に少しでも寄与できればと思っている。屋台の建物については、斎田社長と話し合っているが、これからの経営を考え、当方は無償で譲ってほしいとお願いしているが、あちらは有償(簿価)でと言っているが、今後も話し合っていく」と語った。
テナントの店主は、「これまでの屋台村の経営者に不信の念があって、この先、生活がかかっており、不安の毎日だったが、西條さんが引き継いでくれて、ようやく安心できる。昨年から年を越しても、具体的な動きが無く、いろいろな噂ばかりが先行していたが、決着して本当に良かった。これで、これからも頑張っていける」と歓迎していた。
中松義治小樽市長は、「西條さんが出てきて屋台村の存続が決まったことは、とてもありがたい。おたる屋台村は、市民や観光客の憩いの場所として親しまれているので、街の活性化のためにも、ぜひ存続をと願って動いてきた。決まったのですか?決まったことは本当に良かった。小樽観光の夜の名所が無くならなくて、存続できることは小樽にとって大きい」と安堵の表情を見せていた。
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