小樽雪あかりの路のメーン会場のひとつで、多くの人々が行き交う手宮線会場の入口周辺には、ハートや星を象った雪を、何枚も積み重ねたオブジェが、来場者の注目を集め、写真スポットとなっている。
同会場で熱心に製作に励むフェルト帽の男性は、宮城県仙台市在住の千葉洋さん。千葉さんは、2008年から毎年欠かさず、同イベントのボランティアとして来樽している。今回も、2月5日から20日まで小樽に滞在し、毎日13:00に会場入りし、オブジェ作りを始め、16:30頃から点灯し、21:00まで活動している。
学生の頃は札幌に住み、小樽が好きでよく訪れていて、イベントポスターとHPで、ボランティアスタッフ募集を知り、同ボランティアを始めるきっかけになった。2008年から、小樽緑のまちづくり会のメンバーと一緒にオブジェ作りに参加した。
山形県長井市の町づくりのNPO関係で、ボランティアの経験はあった。毎年、同イベントに参加するようになり、手宮線会場の約30mほどを任されることとなった。当時のテーマが、「地上の星」だったこともあり、100円ショップで売っている星型やハート型のケーキの型を使い、雪を象った。
「手宮線跡地」と書かれたプレートの上にも、象った星や、バレンタインデーバージョンのハート型の雪を約60個積み上げた。高いところは脚立に乗り、150cmにも積み上げている。星やハート、月型の雪は、開催期間中のべ1,000個以上は作るという。プレートの上のオブジェは、日中、溶けてしまい、毎日作り直している。ロウソクの炎がゆらめく光景が気に入っていて、風よけに雪で塞いだりはせず、そのため、風が吹く日や雪が降る日は、根気良く、ロウソクの灯を絶やさないように何度も点火している。来場者からは「綺麗だね」と声をかけられると嬉しく思うそうだ。
また、地元の人から感謝されるが、千葉さんも小樽へ遊びに来ている感覚があり、逆に感謝しているという。辛いと思うことは何もなく、ほとんど会場で過ごすほどの雪あかり好き。
同イベントが続く限りずっと参加する意向で、イベントが終わり仙台へ戻ってからも、小樽のことが気になり、12月になると小樽の天候などをチェックしているそうだ。最近では、違うオブジェを作ろうと、ネタ探しをしているという。
明日16日(日)は、開催10日目の最終日となり、幻想的な灯も見納めとなる。