青少年のための科学の祭典小樽冬大会が、1月18日(土)10:30から15:00まで、小樽市総合博物館(手宮1)で開かれた。同大会は、夏と冬の年2回開催され、今回で14回目となる。
科学に関する実験や工作などの29ブースを、学生や教員等約100人がスタッフとなり、来場者の対応にあたった。各ブースはすべて無料で自由に参加することができる。家族連れや友達同士で来場し、各ブースをはしごして楽しんでいた。夏の同大会では、3,702名が来場して賑わいを見せ、今回の冬の大会は約800人を見込んでいる。
同館中野仁学芸員(同実行委員会事務局長)は、この祭典の目的を「子ども達へ科学の普及と啓発、先生方にはここでの経験を教室で活かし、先生・企業・生徒・学生と、様々な職業の方々とのネットワーク作りを目的としている。皆さんで楽しんでもらいたい」と話した。
毎回、恒例となるブースに加え、冬ならではの「雪の家イグルーを体験しよう」や「氷の結晶を偏光版で見る」などや、新しいブースでは、「カンナ削り体験」や「岩石トランクキット~石が砂になるメカニズム」などが加わった。
「雪のイグルーを体験しよう」は、先週12日(日)に、イグルー作りを市民らと体験し、今回、同館正面玄関前に、青木館長を含め3人で6時間かけ、4基目を新しく制作した。雪を入れる係や固める係を分担し、直径3.3m・高さ2.4mの頑丈なイグルーが完成。氷をはめ込み、光を取り入れる工夫が施されたイグルーは、来場者の目を引いていた。イグルーの中に入ったり、新たに直径2.4mのイグルーを制作する様子を公開した。
青木館長は「雪の多い小樽の冬の季節を活かし、雪遊びの少なくなった子ども達に、イグルーに入って楽しんでもらいたい」と話した。
また、「氷の結晶を偏光版で見る」では、氷柱や氷を薄く切り、断面の垂直面と平行面の違いを見せたり、オホーツクのクリオネを展示した。
新しいブースとして、北海道職業能力開発大学校建築科の学生による「カンナ削り体験~削り華で風呂に風情を~」では、3台のカンナが用意され、米ヒバを削る作業を体験した。削り華は、香りも良く、袋に入れて持ち帰り、風呂に入れて楽しめるよう配布された。同大学・的野博訓指導員は「木の種類なども説明し、木育(もくいく)の一環、普段あまり見かけないカンナに触れてもらいたい」と話した。
北海道大学総合博物館から「岩石トランクキット~石が砂になるメカニズム」を紹介。日本中で起こっている凍結融解の現象を体感してもらおうと、石材を切って濡らしたものと乾いたものを用意し、−20℃に冷やすと濡らした方は、膨張して割れていく。この石材の強度をナットを重りにして割れるまで体験する。凍結融解は、陸地を作っている現象と説明した。
双葉高校から奉仕活動をしている1年生3名が参加した。以前、小学生を対象としたイベントに参加した経験を活かし、今回初めて、「立体メガネ」や他のブースの助っ人で参加。3Dメガネを作り、メガネを使い映像を参加者に見せた。
西陵中学校科学部7名は、恒例の「巨大シャボン玉に入ろう!」を行い、前回の改善点を踏まえ、洗剤を変えるなどした。参加者にカッパを着せたり、丁寧な対応をしていた。潮見台小学校5年生の乾希純さんは、「初めてシャボン玉の中へ入った。割れてしまったが、思った以上に綺麗だった」と話した。
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