小樽市が過疎地指定され、優遇措置の適用があるのに、市福祉部がそのことを忘れ、障害者福祉サービスでの特別地域加算金を支払っていなかったというお粗末な事実が露呈した。
11月26日(水)、市は急きょ記者会見を開き、三浦波人福祉部長が経緯を説明した。
小樽市では、障害児や障害者が福祉サービスを利用する際に必要な「障害者福祉サービス受給証」に、「特別地域加算」の対象となる旨の記載をしてなかった。サービスを提供する事業所にも周知されていなかったため、事業所が小樽市に「特別地域加算分」を請求していない状況だったことが分かった。
小樽市では、2010(平成22)年4月に過疎地域に指定され、特別地域加算の対象地域となった。◎関連記事2
昨年12月にサービスを提供する事業所から、この件について問合せがあったが、福祉課では調べきれず、今年の夏に別の事業所からの再度問合せがあった。「小樽市は加算の対象となり加算して良いですか?」とのこと。調べたところ、市では、2010(平成22)年度から2012(平成24)年度まで、「特別地域加算分」が未払いだったことが明らかになった。
特別地域加算とは、過疎地域自立促進特別措置法で規定する過疎地域に指定されると、特別地域加算の対象地域となる。福祉サービスを行った際に、事業所が、特別地域加算として1回につき所定単位数の100分の15に相当する単位数(厚生労働省が定めるサービスの価格)を加算する。
必要な事務処理は、受給者証に加算対象となる旨を記載し、サービス提供事業所に周知。サービスを提供する事業所は、所定単位数に15%を加算し、国保連合会を経由して小樽市に請求する。
加算対象となる市内の事業所は、訪問系サービスが24事業所、地域相談支援が6事業所。今後、対象となる事業所は、それぞれ3万円から800万円の未払い分を市に請求する。
三浦部長は「過疎地域に指定され、関連することへの認識が薄かった。加算に気づかなかったことが大きな原因で、組織として反省している。制度改正の中、対応する力が求められ、関連するものが漏れないように今後に繋げたい」と話した。
小樽市が過疎地指定されているのに、市がそのことを忘れ、市民からの問合せで、ようやく、「特別地域加算」の対象地域だったと気が付く、のんびり行政のお粗末さが露呈した一幕だった。
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