全国地域安全運動の実施に合わせ、初日の10月11日(金)に、整骨・接骨院防犯ステーションの防犯訓練が、13:00から、トミオカ鍼灸接骨院(澁谷知潤院長 ・富岡1)で開かれた。公益社団法人北海道柔道整復師会小樽ブロックから8名が参加し、小樽警察署と合同で実施された。
同会では、犯罪のないまちづくりを推進するため、平成13年10月11日から道内各地の約851ヶ所の整骨院・接骨院を「防犯ステーション」に指定し、身に迫った犯罪の危険のある子どもや女性から助けを求められた場合に、警察へ通報、安全を確保し、地域住民が安心して利用できる避難所として提供し、地域安全のために貢献したいとしている。
同院前で女性が痴漢行為にあったとの想定で、被害女性に扮した警察官が、同接骨院に「助けてください!」と駆け込み、訓練を開始した。澁谷院長と柔道整復師のスタッフが対応し、澁谷院長は女性を院内の椅子に座らせ落ち着かせ、被害の状況や内容や特徴を優しく聞いた。一方のスタッフは、外の状況を窓から確認。身長や年齢、メガネや帽子の有無、服装についてメモし、被害女性が駆け込んできてから5分後に警察に連絡。小樽警察署の警官2名が駆けつけ、事件発生から10分程で無事に保護された。
小樽警察署生活安全課生活安全係長の内田克弥警部補は、訓練の講評を、「大変良かったが、1つ注意点がある。2人で連動し、被害場所を確認し、直ちに警察へ連絡すること。5分後の連絡は遅く、犯人にかなり遠くへ逃げられてしまう。警察に電話をしながら、被害女性とコンタクトが取れると思う。スタッフが水を被害者に飲ませたのは大変良く、また、椅子に座らせ、相手の目線に合わせて話し優しく対応したのも良かった。緊張した流れを掴んでもらいたいと思い、本番さながらの訓練だった」と話した。
澁谷院長は、「被害者への質問を、問診表の裏に作った。被害者に聞く項目を書き、書き込めるようにした。完成したら小樽ブロックのメンバーにも配布したい」と話し、大変良いアイディアだと評価された。
訓練後の勉強会では、小さな犯罪の情報をメールで配信する、地域の小さな事件、事故を知るができる「防犯メール」についてや、警察と市民を結ぶホットライン警察相談専用電話「♯9110」について、また、自主防犯活動のハンドブックなどの配布物の説明と、全国地域安全運動の柱となる4つの項目について、小樽市における犯罪件数の実態を交えて説明した。
1つは、住宅の泥棒被害の注意、2つ目は、子ども・女性への犯罪防止。3つ目は、特殊詐欺の被害防止、4つ目は、自転車の盗難などの被害の防止を柱としている。高齢者を狙う特殊詐欺の被害は、全道で137件、5億9千万円の被害。札幌中心部75件、小樽では2件発生。振り込め詐欺や架空請求や異性交際斡旋、ギャンブル勝利報酬などがある。「接骨院を訪れた患者さんには、このような話を会話に交え、犯罪からの注意を促してもらいたい」と要請した。
同会小樽ブロックの小川哲司会長は、「良い訓練となり安心安全なまちづくりに少しでも役立ちたい」と笑顔で答えた。