泊原発事故想定 "北海道原子力防災訓練"実施

 北海道電力泊発電所(後志管内泊村)での原子力災害に備えて、10月8日 (火)、「平成25年度北海道原子力防災訓練」が、泊村・共和町・岩内町・神恵内村・寿都町・蘭越町・ニセコ町・倶知安町・積丹町・古平町・仁木町・余市町・赤井川村の泊原発から30km圏内の緊急防護措置地域(UPZ)の13町村で行われ、加えて30km圏外の小樽市、留寿都村、札幌市も参加した。
 関係機関は、北海道、北海道教育委員会、北海道警察本部など260機関、住民約800人が参加した。
 訓練想定は、後志管内内部で震度6強の地震が発生。泊発電所から半径5km圏内の避難を開始。その後、事故が進展し「原子力緊急事態宣言」を発出し、避難住民の幅を拡大した。発電所から放射性物質が放出、UPZ内の一部で空間放射線量の上昇を確認し、避難を開始した。
genpatsubousai1.jpg 訓練内容は、緊急事態応急対策拠点施設運営の訓練や、30km圏外に避難所を設置し、避難対象地域の住民を避難させ、避難者のスクリーニング(放射性物質による汚染の有無などを確認する身体汚染検査)を実施。また、要援護者に配慮した、陸上・海上・航空の輸送手段を用いた訓練や、渋滞を想定した休憩施設等を活用した情報や食料の提供。原子力防災に係る住民研修会も開かれた。
 小樽フェリーターミナル(築港7)では、救護所を設置し、道医療機関、陸上自衛隊の医療チームによるスクリーニングが行われた。13:10には、古平町から避難した住民を乗せたヘリコプターが、小樽フェリーターミナル東側に到着。同ターミナルの救護所へ移動し、スクリーニングが行われた。
 受付で住民登録し、放射線量を測定。医師の問診後、異常がなければ避難所へ移動することができる。再測定の人は、オレンジ色のベストを着用し、測定結果の説明を受け、除染するコーナーへ移動する。測定時間は1人3分程度。避難した住民約430人を対象に行われ、その後、避難所へ向った。
genpatsubousai2.jpg 小樽市では、同訓練に合わせ、退避等訓練の一環として、古平町とともに避難所の一時滞在場所を、小樽市総合体育館(花園2)第2体育室に設置。今回、初めての訓練で、小樽市は、泊発電所の原子力事故災害の発生時に、UPZ圏外へ避難が必要な場合、古平町からの避難先となるため、一時滞在場所として受け入れ訓練を実施した。小樽市総務部防災担当職員2名と古平町役場職員2名が参加。連携を図り、避難者の受付や、避難先のホテルの割り振りなどを訓練した。ヘリコプターや乗用車、バスなどで避難住民約100人が集まった。
 古平町役場職員は「福島の原発事故での避難所では、学校の体育館などでプライベートが図れなかった。その教訓を活かし、ホテルを避難所とした」と話した。
 ヘリコプターで避難した古平町の女性は、「訓練を体験し良かったと思うが、不安の方が強い。実際に原発事故が起こったら、自分では訓練したことを活かせないように感じた」と話した。
 平成25年度北海道原子力防災訓練実施について