小樽市・市議会・商工会議所の3者あげて、カジノ誘致に乗り出している。政財界の一部の人たちの”構想”に、市民の税金が投入され始めたが、市民の賛否も定かでない市民不在のまま、カジノ誘致だけの一人歩きが始まっている。
中松小樽市長は、9月第3回定例会にカジノ大会開催への補助金20万円を計上した。同大会は「第8回日本カジノ創設サミット in 小樽」として、10月24日(木)15:00から、グランドパーク小樽(築港11)で開催される。
この大会に市民の税金が初めて投入されたことで、中松市政は、市議会与党や賛成議員とともに、商工会議所が進めるIR(Integrated Resort)統合型リゾートを進め、カジノ誘致へと大きく舵を切った。今後、小樽をマカオやラスベガスなどのギャンブル(賭博)都市化する”施政方針”を市長が明確にしたこととなった。
日本でのカジノ誘致は、先の選挙で民主党が惨敗し、再び自民党が政権に返り咲き、安倍首相の導入に前向きな答弁(3月)を受け、にわかに高まった。民主党の野田政権は、カジノ導入反対を明確に答弁していた。カジノを解禁するには、カジノを合法化する法案を国会で可決しなければならない。
国会の自公民など超党派議員による「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」は、10月23日に幹事会を開き、2020年の東京オリンピックまでに、カジノを中心とした統合型リゾートを整備するため、カジノ解禁法案を今国会に提出する方針を確認し、今後、具体的な法案をまとめ、11月に開く総会に諮り、来年の通常国会での成立を目指すことにしている。
カジノ合法化で、カジノを認められる都市は、当初4~5ヵ所程度とされており、東京・大阪・沖縄などの名が上がっている。小樽市が、急きょ手を挙げたのは、カジノ解禁の道筋が見えたことが大きく影響している。北海道では、小樽・釧路・苫小牧など3都市が手を挙げており、導入合戦が繰り広げられることになる。
中松市長は、10月24日(木)15:00から、グランドパーク小樽で開催される「第8回日本カジノ創設サミット in 小樽」を前に、税金の投入を済ませ、9月17日には、高橋はるみ北海道知事に「北海道のIR(統合型リゾート)候補地に係わる要望書」を提出し、正式に小樽をカジノ誘致都市として位置付けることを求めた。
着々と進むカジノ誘致だが、市長には、市民の合意もなしで小樽の将来の都市像を決定する権限は、何一つ市民からは与えられていない。市長選の公約には、カジノのカの字も書かれていないからだ。民主主義国家で市民の賛否を問うのは選挙となっている。1年半後には、市長や市会議員の選挙が行われる。
次回の市長選挙は、少子高齢化が進み過疎地指定された小樽市の都市の未来像の在り方を問うものとなる。市民にとっては、今後、自らの住む街小樽が、マカオやラスベガスなどのギャンブル(賭博)都市となることへの賛否を市民一人ひとりが問われる重大な岐路になり、大きな政治問題として市民に投げ”賭”けられることになろう。
しかし、カジノ誘致を進める山田勝麿前市長の元に集う、カジノ誘致の商工会議所などの幹部の面々は、かって、メディチ家の末裔を名乗る詐欺師に、まんまと一杯を食わされた面々と何故か一致するだけに、うさんくささを嗅ぎ取る市民も多い。◎関連記事
国際観光都市を目指しカジノを誘致する都市が、現在、約150億円を掛けて市立病院を建設中だが、産科がなく、市民は子供を生めない。少子化が進む小樽では、「安心して生み育てることの出来る、安心・安全なまちづくり」(中松市長の公約)が、反故にされている。カジノ誘致で市民の目をそらさずに、市立病院に産科を誘致することこそが緊急の課題なのに、何故か、市も市議会も商工会議所も、このことについては、口を閉ざし、カジノ誘致を声高に叫んでいる。
10月24日の「小樽カジノ大会」の参加者は、1人7,000円の参加費で、「模擬カジノ」に興じることになっている。
◎カジノ合法化に関する100の質問
◎自民党「カジノ合法化への取り組み」を紐解く
◎カジノ」(wikipedia)
◎マカオ カジノガイド
◎カジノ誘致を検討している国内の自治体
◎日本にカジノを〜北海道中部
◎小樽国際観光リゾート推進協議会(旧小樽にカジノを誘致する会)
◎小樽カジノ(google)