かつて鰊漁で栄えた小樽に、近年、再び戻りつつある「鰊」を使った「にしん小樽漬」が、このほど、株式会社小樽かね丁鍛冶、堀内水産株式会社、株式会社飯坂富士商店の3社が新商品を完成し、9月11日(水)11:30から、小樽経済センター(稲穂2)5階会議室で発表会が開かれた。
小樽商工会議所・山本秀明会頭、「にしん小樽漬」開発事業化委員会の杉江俊太郎委員長(商工会議所副会頭)をはじめ、寺井聡副委員長(小樽かね丁鍛冶代表取締役)、各委員らが出席した。
山本会頭は、「もともとは、小樽の人口減少対策と雇用増加に向けた産業振興策がベースとなり、基本を1次産業とし、付加価値をつけて2次産業を振興するプロジェクトを立ち上げた。水産業は色々な漁獲があるが、小樽を代表するのは、シャコと鰊であり、シャコは、年間50トンしか獲れず、これに付加価値は難しく、小樽のシャコは素晴らしいとの広報活動をしていこうとした。一方、鰊を使った商品が数多くある中、函館の松前漬けは浸透している。松前漬けに対抗できるような地域ブランド『にしん小樽漬け』を開発し、小樽ブランドとして立ち上げ、地域の振興に努めたい」と挨拶した。
引き続き、同会杉江委員長より、商品開発への経緯の説明があった。「2年前から立ち上げ、色々な業者の思いをひとつにして商品を作ることは難しい。小樽に幅広く広め、飲食店や製造業者の方にも一定のルールを基に参加してもらいたい。小樽市民が食の中心として食べ、観光客へ土産として買ってもらう2面を追求している。商工会議所を挙げて、同商品の販売を協力。小樽の名物となるよう努力していきたい」と話した。
同商品の発売は、9月15日から開始。ウイングベイ小樽で開かれる後志収穫祭で、株式会社小樽かね丁鍛冶、堀内水産株式会社、株式会社飯坂富士商店、株式会社小樽海洋水産の4社の商品を販売する。150グラム500円(通常630円)で、その後、駅なかマートタルシェ、小樽観光協会などで販売。9月15日以降、飲食店、た志満、華かぐら、に志づ可の3店舗で提供する予定。各社ロゴマークを統一している。
同会寺井副委員長から、基本ルールや商品の説明が行なわれた。「鰊は北海道産を使用。数の子、昆布を主原料に、鰊商品を強調するため、40%以上入れる。醤油ベースであることを基本とした。その他の具材や味付けについては各社独自とする。松前漬けと違うところはイカを使用していないところ。堀内水産やかね丁は新しいスタイルと言える」と説明。
各社が、基本ルールを守り、同会へ報告、審査の上、ロゴマークを渡し商品として販売。最終的にはできるだけ多くの会社に参加してもらいたいと呼びかけている。
堀内水産株式会社・庄司彰夫代表取締役社長は、「鰊の美味しさを逃がさないように、一度干したものをタレに漬け戻し、鰊のやわらかさを出した。鰊、昆布、数の子、しょうがを同じタレに別々に漬け、最終的に合わせた。殺菌問題や安心安全なものを提供するのに苦労した」と話した。