土器や琴など縄文芸術に親しむ!「おたる縄文の集い」

 小樽に何千年も前から住み、貴重な遺跡や遺物、地名などを残した縄文人を偲び学び、今に生かそうと「おたる縄文の集い」が、8月31日(土)から9月1日(日)までの2日間の日程で、運河プラザ(色内2)3番庫ギャラリーで開かれた。joumontsudoi1.jpg
 会場では、縄文土器の作品を鑑賞しながら、小樽縄文人の会代表で陶芸家の前田隆護氏による縄文土器づくりの報告や思いを、詩人で札幌大学名誉教授の原子修氏による縄文芸術について詩の朗読や語り、ギタリストで作曲家の曽山良一氏とシンガーソングライターの向江きえ氏による縄文琴演奏が行われ、70名が縄文の世界を楽しんだ。主催はおたる縄文の集いの会。
 同会は、昨年、小樽縄文人の会教室前庭で作品展を開催したが、イベントも含めた開催は初めて。
joumontsudoi2.jpg 毎年8月に余市町栄町海岸で縄文土器を焼く「余市縄文野焼祭り」が行われ、今年で16回目を迎えた。夕方17:00に火を起こし野焼きを始め、深夜24:00に火を消し、明朝7:00に土器を取り出す。そこで焼かれた新作も含めて小樽縄文人の会46名と小樽佐藤グループ14名、余市から6名が出展した約100点の縄文土器が展示されている。
 初日の31日(土)14:00から縄文芸術イベントを開催。小樽忍路土場遺跡から発掘された縄文琴を復元し、原子氏と曽山氏の演奏会が開かれ、来場者は見慣れない琴が奏でる音に耳を傾けた。
 一日をテーマに鳥の声や小川の音、虫の声などが流れる中、縄文琴が演奏された。曽山氏は「即興で弾き、西洋音楽へ近づくと楽器の意味合いが違う。規制を外して考えることがない中、縄文琴では、よりシンプルに、より新しく、普通の音楽との落差を楽しみたい」と語った。来場者と縄文の詩を作り、その詩を全員で朗唱し、合間に縄文琴の演奏が組み込まれた。
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 会場に展示された縄文土器の作品には、縄を転がしたような文様がイメージだが、粘土をつけたり彫ったり立体的な模様を特徴とし、中には、深い鉢の形で、顔に見えるような模様がつけられている物もあった。実用的な器というより、装飾性や創作を楽しむ作品が多く、野焼き独特の風合いも観賞していた。
 前田氏は「小樽で縄文土器を広め、縄文遺跡で町おこしをし、小樽の観光資源の1つのなることを目標としている。みんなで、縄文人の生き方を学び、楽しもうと開催した。縄文人から学ぶべきことが沢山ある。その思いで、縄文土器作りに励んでいる」と話した。
 来場者は、普通の陶器との違いを見つけたり、文様に見入ったり、縄文芸術の世界を堪能していた。9月1日(日)も、同会場で10:00から16:00まで開催する。
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