学徒戦死者ら347名へ白菊献花!緑丘戦没者慰霊祭

 終戦記念日の8月15日(木)、戦火で散った347人の学生・教員などに哀悼の意を示す「緑丘戦没者慰霊祭」が、11:59から、小樽商科大学(緑3・山本眞樹夫学長)の白亜の緑丘戦没者記念塔前で行われた。
 緑丘会小樽支部・浅原健蔵支部長をはじめ、山本学長や大学関係者や遺族、卒業生、学生代表ら83人が出席した。
ryokukyuuirei1.jpg 同大学の名誉教授であった松尾正路先生の呼びかけで、昭和44年に慰霊塔が完成。大学構内にある慰霊塔は珍しく、建立以後、毎年途絶えることなく行われ、今年で45回目を迎える。墓石には、347人の氏名が刻まれ、「戦の野に果つるとも 若き命 この丘にとヾまりて 消ゆることなし 友よ 安らかに眠れ」と書かれた碑石が納められている。
 12:00、響きわたるサイレントともに一同が黙祷。
 山本学長は、「終戦から68年の歳月が過ぎ、世界では各地で戦争が繰り返されている。異なる宗教や民族の対立から生じる紛争、テロリズムといった対立が各地で起こっている。また、一昨年3月11日に発生した東日本大震災では、約1万5千人もの命が一瞬にして奪われた。本学においては、昨年5月に、飲酒事故がおき、学生1名が亡くなった。亡くなった学生は、4月に入学したばかりで、一月足らずの学園生活。命の重さ尊さを改めて思い知らされた。ryokukyuuirei3.jpg本学が柱とする商学の商は、グローバルに展開される人・物・情報の交流であり、不戦平和があってこそ、むしろ戦争を抑止、平和を促すこと。今後もひとりひとりの命の重さ尊さを伝える教育の原点を常に意識し、誰もが命を全うできる平和な社会を構築する崇高な使命を持ち、商学の教育研究に努めたい。学徒出陣等、尊い命を犠牲にした同窓、教員347柱の御霊が祭られている。安らかな眠りの地であることを誓う」と挨拶。
 参列者ひとりひとりが白菊を献花し、手を合わせた。グリークラブ及びカンタールのメンバーが、校歌等を斉唱し、参列者もともに歌い、故人を偲んだ。
ryokukyuuirei2.jpg 昭和37年卒業の小樽在住・庄司俊雄さんは、「小学1年生だった68年前も今日のように暑い日で、終戦した日が思い出された。昨日、少年H(映画)を観て、戦争の惨さ悲しさを感じ、今日の慰霊祭で、改めて戦争ほどむごいものはないと思った。年々、遺族の方々が高齢となり、出席者が少なくなり、残念に思う。これからも出席していきたい」と話した。
 また、「2009年より毎年参加。大学校内に慰霊塔があり、大学が主催している慰霊祭はほとんど無い。特攻隊だった人もいる。戦地での無念の霊を慰める思いで参列した。当時から語学教育が熱心で各国の言葉を学び、海外の情報が分っていたと思う。色々な意味で無念だと思う。当時の方々が少なくなり、慰霊祭が今後も継続できればと思う」と同大学の卒業生は話した。
 慰霊祭終了後、13:30まで懇談会が開かれた。
 小樽商科大学広報だより(第64号)
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