「介護予防フェア2013」 健康維持のコツを学ぶ


kaigofair1.jpg「介護予防フェア2013『今すぐ始める介護予防!』」の第1弾が、7月18日(木)1:30から15:00まで、小樽経済センタービル(稲穂2)7階大ホールで行なわれた。主催は、小樽市・東部地域包括支援センター・中部地域包括支援センター・北西部地域包括支援センター。
 札幌医科大学保健医療学部・古名丈人教授による講演会「健康寿命の延ばし方 からだとこころ、健康維持のコツ」に、市民ら130人が聴講した。
 小樽市では、市民へ介護予防に関する知識を深めるために、平成20年度から介護予防フェアを開催。昨年度より講演会と体験会を2日間の2本立てにし、今年度は、「今すぐ始める介護予防!」をテーマに、7月と8月に分け、多くの市民が講義や体験会に参加してほしいと開かれた。
 講師の古名教授は、札幌医科大学衛生短期大学を卒業し、東京都老人総合研究所運動機能部門研究員、2005年に札幌医科大学医療学部理学療法学科に講師として着任、2012年から現職の札幌医科大学保健医療学部理学療法学第一講座教授を務める。高齢者理学療法、運動学、老年学を専門とし、介護予防への活動や支援を行う。
kaigofair2.jpg 古名氏は、「健康づくりへの仕組みまでを考えるきっかけになればと思い、健康長寿を実現するよう、会場に来た人が周りの人に、ここで聞いた話を広げてもらいたい」と述べ、グラフや表、調査した結果などを医学的に詳しく、分かり易く説明した。
 認知症の前段階「MCI(軽度認知障害)」では、認知機能の低下を予防することの重要性と、筋肉または身体能力の低下「サルコペニア」を中心に講義が進められた。
 「WHOが2000年に出している”健康寿命”とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」を言い、日常の基本的動作が自立している期間を延ばし、介護が必要な状態であっても悪化を防ぐことが重要。これがひとりひとりの目標でもあり、地域の目標でもある」と話した。
 どのようなことが自立を阻害するかについて、「寝たきりの原因では、脳血管疾患が33.8%と多く、認知症が18.7%と続く。要支援の原因では、関節疾患19.4%、高齢による衰弱が15.2%。脳血管疾患が15.1%である。日常生活に問題はないが、筋肉の減少や運動機能が低下し、指の機能や握力、膝の力が減少。目をつぶった時のバランスがもっとも落ち、姿勢を維持する機能も落ちる。そこで、活動量が減り、食が細くなり加齢に伴う食欲不振へと衰弱のサイクルとなる。良いサイクルを維持するためには、足、腰の強さを保ち、生活機能を確保する。そのためには、適度に運動をする。健康寿命に繋がる手段はあり、主治医に相談し、適切な運動をする」ことと話した。
 週3回運動している人は、していない人より認知症になりにくいことを表で説明した。「健康長寿を実現するためには、生活習慣病の予防と心身の健康を保持し、両方が必要となる。リスクがあれば早期に対応する。簡単な目標を立て、仲間を作り、やめにくい状況を作る。自分の人生に得か、やらなければどうなるかを知ることがトレーニングの習慣化を維持する秘訣」と強調した。
 「自分に足りないのは何か考え、ここで聞いたことを目標にしてしまうのは大変なので、それぞれにできることから始める」と締め括った。
 市内80歳女性は、「とても参考になった。子どもに迷惑をかけないようにと健康を心がけ、階段を利用したり、毎朝スクワットを50回。月に1、2度休むだけ」と、はつらつと答えた。
 第2弾体験会を、8月20日(火)10:00から12:00に会場で、「てんとう虫テスト」や介護予防に関するミニ体験コーナーなどを用意している。
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