カピバラ脱走から8日目!かわいい姿 おたる水族館

 おたる水族館(祝津3)では、昨年に続き、徳島市のとくしま動物園から、カピバラのきょうだいを借り、期間限定で展示を予定していた。ところが、7月3日(水)17:00過ぎ、同館に到着直後、展示場所の館内展望園地の「カピバラガーデン」の木製の柵に体当たりして大破させ、近くの茂みや館内へ脱走。職員が総出で周辺を捜索し無事に捕獲した。
capybara3.jpg この想定外の騒動で、2頭のカピバラに人間に対する恐怖感が宿ったのか、威嚇の声を出していたため、予定していた4日からの展示を見合わせていた。急遽、同ガーデンの木製の柵の内側に金属の柵を付け補強し、職員が交代で観察している。
 今回のカピバラは、2012年5月生まれの「なると」(オス)体重35kgと、2012年11月生まれの「あわ」性別不明で体重30kgのきょうだい。脱走時に、鼻や頬に擦り傷を負ったが、1週間経過したあたりから瘡蓋が取れ、下の皮膚ができ治ってきているという。
 同館に来て8日目となる7月11日(木)には、少しずつ飼育環境に慣れ始め、人間との一定の距離はあるものの、活動エリアを広げてきた。16:00の食事時間には、小屋から姿を現した。
capybara2.jpg 担当者がキャベツ、にんじん、さつまいも、かぼちゃを入れたバットを小屋の前へ差し出すと、様子を伺いながら、小屋から「なると」が姿を現した。「なると」は、人間の声やカメラのシャッター音に警戒しながらも、もぐもぐと口を動かし食べ始めた。「あわ」も様子を伺いながら、「なると」と交代して野菜を食べた。
 現在のカピバラは、1日4回の食事で、1.5〜2kgの野菜と同館周辺で採取した青草を2kg与え、食事の量も排便からも健康状態は良好。
 今回のカピバラガーデンは、プールを大きくし、水中での動きが見られるようになった。簾で日陰を作るなど、庭を充実したオーシャンビューの平屋一戸建へと、昨年の経験を活かして作られた。
capybara1.jpg 飼育部伊勢伸哉次長は、「おたる水族館では、すべて野生の動物を展示している。カピバラも野生の動物だという意識が薄れていたが、今回のことで思い知らされた。普段のんびりした性格のカピバラも、身の危険を感じた時には、弾丸のごとく速かった。人の早い動きや大きな音に警戒しているため、静かに見ていただきたい。時間をかけて飼育管理を行いたい」と話した。
 ネズミの仲間のカピバラは、現生種げっ歯類の中で最大種。南アメリカ東部、特にアマゾン川流域を中心の水辺の草原や森に生息する。南アメリカ原住民の言葉で「草原の主」と言う意味。(wikipedia参照)
 カピパラの様子を一目見ようと、小屋の前で立ち止まる来館者も多く、食事中のカピバラを見た女性は、「運が良く見られて良かった」と笑顔で話した。
 カピバラ展示は、9月23日(月)まで。