小樽市内は、やっと暖かくなった5月27日(月)14:00に最高気温23.3℃となった。
水温と気温の差が10℃前後となり、穏やかな南風が吹く日と言えば、蜃気楼愛好家には「蜃気楼日和」と期待を寄せる。
「石狩湾蜃気楼情報ネットワーク」が配信した蜃気楼発生期待度(27日)は、40%と高い数字となった。期待が高まる中、北海道・東北蜃気楼研究会所属する札幌在住の柴田進さん(パソコンスクール講師 )は、27日(月)朝里海岸で待機中、16:00時過ぎから、高島方面へ行き交う船が面白い形に変化。
観光船が伸び上がったり、巡視船と思われる船が面白い不思議な形に変化した。海岸沿いの岩などバーコード状に変化。バラエティに富んだ上位蜃気楼「高島おばけ」を体験した。
14:00に朝里海岸へ到着し、手宮、高島~高島岬方面まで広い範囲で、蜃気楼発生要因のもやを確認。もや越しに石狩湾のタンクを見ると、LNG(液化天然ガス)タンクがいつもの半分に縮んでいた。もやが強かったが、待つこと2時間。16:00台が蜃気楼のピークとなり、様々な変化を楽しみ画像に残すことに成功した。(写真提供:柴田進氏)
柴田さんは、上位蜃気楼観測を始めて10年目。数々の「高島おばけ」を観測し、蜃気楼発生の第一発見者となり、小樽市総合博物館大鐘卓哉学芸員と共に、蜃気楼研究に貢献している。
今シーズンは、5月10日に、銭函海岸から高島岬を見ると、トド岩が少し伸びるのを確認し、今年の初観測となった。その後、26日にも銭函海岸から13:00過ぎに、市内手宮から高島町あたりの建物やトド岩の変化を報告。今回の蜃気楼を含めると今シーズン3回目となる。
以前、松浦武四郎(江戸時代末期から明治にかけての探険家)が見た、塩谷海岸からトド岩が変化した「高島おばけ」の話を聞いた後、銭函海岸からトド岩が変化するのを確認。反対からも蜃気楼が見えることを予測し連絡。大鐘学芸員は、北防波堤から朝里方面を見たところ、比較的近い距離での蜃気楼を確認。朝里方面の建物がゆがみ、水面との境目が盛り上がって見える「高島おばけ」を観測した。
柴田さんは「何度見ても蜃気楼は面白い。今後の蜃気楼に期待している」と話した。
28日(火)の蜃気楼発生期待度は、石狩湾エリアで30%となっている。滅多に見られない大規模蜃気楼に期待が高まる。