今年で5回目となる「おたる祝津にしん群来祭り」が、5月18日(土)・19日(日)の2日間、小樽市鰊御殿前浜をメイン会場に開かれる、うららかな春の日差しの中、18日(土)10:30からオープニングセレモニーが開かれ、祭りの幕が開けた。
主催するおたる祝津にしん群来祭り・久末智章実行委員長は、「昨年に続き良い天気に恵まれた。さまざま企画を考え用意している。2日間楽しんでもらいたい。前浜のうにも解禁になったので、心も体もお腹いっぱいにして帰って頂きたい」と挨拶した。
中松義治小樽市長は、「暖かいお天気に恵まれ良かった。祝津は、昔から市民、観光客に親しまれている観光スポット。水族館や鰊御殿、青山別邸と楽しむスポットがある。5回目の祭りが開催され、賑わいを深め楽しみにしている人も多い。鰊も500匹ずつを無料で配られ、楽しんでもらいたい。他の会場にも足を運び、祝津全体を楽しんでもらいたい」と話した。
新企画「群来太郎にしん料理コンテスト」が開かれ、20名近くの応募があり3名を書類選考し、5人分の料理を作り審査した。ノイシュロス小樽の兼崎義明総支配人・総料理長は、「鰊は、小骨が多く食べづらいイメージがあるが、鰊料理のレパートリーが増え、もっと消費してもらい、祝津にもっと集まってもらいたい。3作品とも工夫が凝らしてあり、それぞれの特色のある料理だった。アイディアを頂ながら、鰊料理の開発に努めたい。魚のさばき方が良かった」と講評を述べた。3位には「タンドリーニシン」池田芳里さん、2位は「ニシンノルマンディー風グラタン」小田柿富実子さん、優秀賞には、「ニシンのサクサク団子特製甘酢あん」三笠高校2年生・稲川智美さん(16)が選ばれ、会場で表彰式が開かれた。
三笠高校料理部に所属する稲川さんは、「何度かコンテストに応募しているが、優勝は初めてでびっくりしている。ニシンの骨が気にならないようにフードプロセッサーでミンチにし、レンコン、にんじんを入れて食感を活かし、ショウガを入れ臭みを消し、食べやすくしている。後志の特産物余市のりんごを入れた。将来は、フレンチのレストランで働き、海外で本格的に学びたい」と喜びを語った。
11:00から小樽市鰊御殿事業「鰊の放流式」を開催。今年で7回目となる。小樽市漁協組合の協力により鰊の幼魚500匹を放流した。「沿岸に来た鰊は595tと、近年にない大漁となり、群来も観測された。放流事業の賜物」と小樽水族館公社・鈴木忠昭社長は話した。バケツの中に元気良く泳ぐ幼魚が配られ、参加者は願いを込めて次々と海に放していた。
会場のテントでは、祝津海産物市場即売会を開催。活タコの茹で上げやカレイの詰め放題、焼きホタテを販売。また、しりべしコトリアード祝津スタイル料理実演販売を数量限定500円で提供。フランスブルターニュの郷土料理をベースに後志の特産物を活かした食べるスープを浜辺で味わった。
毎年好評の会場の炭火で鰊の焼きたてを味わう各日500尾の無料提供には、長蛇の列ができた。予定時間を10分早めて開始し、約50個の焼き台で30cmもある鰊が次々と焼かれ、会場は、にしんの香ばしい煙が漂った。
市内長橋在住の夫婦は、「2時間半並んだ。今年で3回目。この浜で、炭で焼いて食べるのでなおさら美味しい」とこんがり焼けた鰊に舌鼓を打った。
また、特別展示「みなと小樽ゆかりの船舶」と題して、小樽市総合博物館の協力を得て、白鳥番屋で北海道開拓と発展に尽くした同館所有の25隻の船の模型や、小樽港や船舶写真を展示。小樽市在住の馬場氏製作の「丁型海防艦」、祝津マリーナ所有の日本丸の展示など、貴重で高価な小樽市の財産や一級の資料を見ることができる。
茨木家中出張番屋では、「ニシン群来写真パネル展示」を開催。祝津での群来画像のパネル10枚を展示し、今年撮影した群来の映像を放映している。
札幌市豊平区在住の家族連れは、「初めて祭りに来た。外で食べるニシンは美味しい。子ども達も沢山食べた。他の催しも楽しみたい」と話した。会場には多くの家族連れが集い祭りを楽しんでいた。
19日(日)は、鰊500尾を無料提供。12:00・13:00・14:00・15:00に整理券を配布する。11:00〜15:00に、小樽鰊群来そば試食会を茨木家中出張番屋で1杯600円で100食限定。また、メイン会場前浜で、小学生以下の親子先着30組を対象に、イソガ二釣り大会を14:00から予定している。