小樽市総合博物館(手宮1)では、毎年約80名のボランティアが様々な分野で活動し、同館を支えている。4月14日(日)10:30から、同館2階研修室で2012年度のボランティア活動報告会と今年度の募集説明が行われ、登録中のボランティアや興味を持つ市民ら30名が参加した。
同館ボランティアは、博物館統合以前から各グループ独自の活動があり、平成19年4月に「小樽市総合博物館ボランティア」と名称し、解説・科学・環境・自然・鉄道・無線・歴史・歴史文化調査の8つの専門分野と、その時々の行事に参加するイベント分野の全部で9つの分野に分かれている。ボランティアの人数は、統合当初の134名をピークに、2011年度は81名、2012年度は76名が登録。実際に活動している人数の変化はないとしている。
2012年度のボランティアの概要は、20代~80代の76名(男48・女28)が登録。60~69歳のボランティアが男女ともに一番多く、80歳以上は3名の参加。昨年は、29歳以下の参加が11名と多く、インターシップ後などにボランティア登録し良い傾向。また、登録者の居住地は、小樽市内が65名と多く、道外の鉄道ファンが2名も登録している。希望する分野がなく、イベント時のみのボランティアも17名と多く、年間を通じて登録を受け付けている。
報告会に先立ち青木良英館長は、「本館は、平成19年にリニューアルし、その際の目標を『市民とともに歩む博物館』とあり、ボランティアの活動を通じて達成されている。生き生きとした活動や報告を見ると充実した活動だと思う。25年度の市教委のテーマには、連携を掲げている。学校、施設の連携を大切に、ボランティアとの連携を図りたい」と挨拶した。
報告会では、分野別に5分以内で内容を報告した。
解説ボランティアの岩崎迪さんは、「昨年は18名が登録し、同館へ訪れる方々へ魅力を解説して伝えるボランティアで、7月・8月の夏休みに集中し、大阪や名古屋などからの41団体・1,411人へのガイドツアーを実施。9月の幌内鉄道全線開通130年記念イベントへの運営に協力。雪あかりの路での運河館行事・歩くスキーの支援・おたる雛めぐりの案内など、年間を通じて案内・解説を行う。子どもが飽きないような興味を掴む心構え等をメンバーで勉強し対応している」と報告した。
科学ボランティアの西村裕司さんは、「18名が登録し、星空観望会、チャレンジラボ、実験や出前講座等の手伝いを行い、ほとんどが、土・日・祝日や夜の活動となる。昨年は、部分日食、部分月食、金星の太陽面通過など話題の天文現象があり、多くの人が集まり、体験の手伝いをした。子ども達への安全面などの気遣いが大きく、観望会や科学の実験を通じて、天文や科学へ興味を持ってらいたい」と報告した。
その後、同館の環境整備を担う植物の世話や清掃、雑草取りなどの環境ボランティアや市内に生息する同植物の調査を行う自然ボランティア等と報告が続いた。
鉄道ボランティアを6年続けている五十嵐義郎さんは、「館内の車両の補修が主な活動で、ボランティアの名札に使われている『特急用ディーゼル気動車キハ82』の補修後撮影したもの」と報告、「小樽では、鉄道への技術への蓄積があり、以前勤務していた仕事の関係で技術屋(OB)を集めボランティアに加わった。車両の知識を持つ者が中心となり、5月から11月までの毎週金・土曜日に5〜7人が集まり活動。今後続けられるボランティアに現場で説明し育てていきたい」と話した。
平成25年度のボランティア説明会が引き続き行われ、入館者の笑顔に支えられ、自己啓発と生涯学習の達成感が得られる利点があると、関係者は多くのボランティアを募っている。
問合せ:小樽市総合博物館本館(小樽市手宮1-3-6) 担当:大鐘・菅原
TEL:0134−33−2523 FAX:0134−33−2678
◎総合博物館ボランティア