北翔大学芸術メディア学科舞台芸術コース4年生の川口岳人さんは、3月16日(土)14:00と18:00の2回、市民劇場ヲタル座(築港11)で、一人芝居「煙草の害について」(脚本:アントン・チェーホフ、演出:村松幹男・同学科教授)を公演し、同学科メンバー7人が、音響、照明、受付等を担当した。昼の部では芝居好きの60名が楽しんだ。
川口岳人さんは、1990年小樽生まれ。小樽桜陽高校の3年間演劇部で活動、同大学を今春卒業する。同校同コースでは、現在、大学短大を合わせると60名が在籍。各学年では年2回、全学年で年8回ほどの公演を行い、昨年度は10本以上開催している。1月26日の北翔舞台芸術定期公演では、アントン・チェーホフ脚本「ワーニャ伯父さん」を上演している。
同脚本にアレンジを加え、50分間の一人芝居が始まった。主人公ニューヒンを演じる川口さんが、よれよれ燕尾服姿で登場。神経質で喘息持ちの初老の主人公は「煙草の害について」の講演会を行う。煙草の害を論ずるはずが、妻の愚痴を吐き出し、娘の話など論ずる話題から脱線する。妻との掛け合いを面白可笑しく演じたり、白熱した演技が聴衆を沸かせた。
観劇した市内50代女性は、「出演者とは知り合い。以前から何度か公演を見ているが、今日は最高の出来だと思う。小樽では、演劇を見る機会があまりないので、もっと演劇を開いてもらいたい」と話した。
村松教授は、「お客さんが温かく良い雰囲気で良かった。普段以上の力を発揮したと思う」と感想を話した。
公演を終えた川口さんは、「本番で一番良い出来となり、夜の公演も頑張りたい。小樽で公演したいと思ったのは、高校生の時、小樽での公演がなく、いろいろな人の公演を見たかったから。終わりがなく、完成もなく、完成だと思っても、もっと上手く演技をしたいと思う。辛いこともあったが離れられない面白味がある」と目を輝かせて話した。
今後は、東京の劇団へ入団が決まり、役者としての新たな一歩を踏み出すこととなる。