ものづくりの重要性 "北海道ポリテックビジョン"開催

 「若者よ、技能をみがき、明日にはばたけ」をテーマに、第10回北海道ポリテックビジョンが、2月22日(金)・23日(土)の2日間、北海道職業能力開発大学校(銭函・前田康二学長)で開かれた。主催は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(北海道職業能力開発大学校、北海道職業訓練支援センター、北海道障害者職業センター)。
 北海道の職業能力開発事業を広く紹介アピールし、道内の職業能力開発施設における教育訓練の現状やものづくりの重要性を広く周知することを目的としている。
2013poltec.jpg 2日目の23日(土)は10:00から16:00まで開催。ものづくり体験教室や学生・企業のショートプレゼンテーション、学生の開発・研究の展示、地域企業展が開かれた。
 体育館では、ショートプレゼンテーションが開かれ、多くの市民や企業、同校の学生が会場に訪れた。今回初展示された「ハイブリッド充電式スマートEVの開発」では、排気ガスを出さない環境を考えた電気自動車を開発。同校生産技術系の応用過程2年生の11名が参加。
 ハイブリッド充電は、商用電源と風力発電の自然エネルギーの2つを組み合わせている。スマートEVとは、搭載されたタブレット端末に速度、電圧、電流を表示し、走行中の消費電力や充電状況を管理できる。今年に基礎部分を開発し、今後、ボディ部分も完成する予定。FF式で速さ25km/時で27kmを走行可能。学校付近を走行実験した様子のビデオを流し紹介していた。
 また、開発して10年目の「自立人形2足歩行ロボットの開発」では、同校生産機械システム技術科、電子科・情報科の応用過程12名が参加。従来の2足歩行ロボットは、静歩行まで実現し、今後、上半身の開発を考えた場合、足の部分変える必要があり、姿勢の制御や、歩行のバランスをとるため開発中。現在、腿の部分が完成。
 同校生産機械システム技術科応用過程2年生の小出真之代表は、「思い通り・計画通りにはなかなかいかない。腿の部分だけでも完成できて良かった。片足全部を作りたかった。メンバーと役割分担し作業がし易かった。今後、全身完成を目標としている」と話した。

 ものづくり体験教室は、天体望遠鏡や金箔貼り、鍚(すず)の飾り、手作りはんこ、キャンドル、箸、打楽器、折紙、印鑑、電子工作の10の体験コーナーが開かれた。
 小樽市総合博物館のスタッフが出張し「天体望遠鏡を作って大彗星を見よう!」と題して開催。親子30名が参加し、担当者の説明を聞きながら製作を楽しんでいた。
 同校建築施工システム科の学生が中心となり、「自分で作る打楽器」を開催。音に出して楽しめるよう、太鼓、タンバリン、カリンバの3種類のキットを用意し、午前と午後計20名が参加した。担当した学生は、キットの説明に新たに手を加え、参加者が作りやすいよう考え提案した。会場は、同学科の実習場で、現場さながらの木造、鉄筋、鉄骨があり、実際の会社組織(職人、設計士、現場監督など)を作り学んでいる。
 太鼓作りに参加した銭函小学校6年生の服部起尚君は、「初めて太鼓を作り、紐の所が難しかった。弟が作りたいと言ったので参加し楽しかった」と話し、弟の同校2年生の竹泰君は「革が乾いてからの音が楽しみ」と話した。