市民・労働団体 米艦船「ラッセン」寄港反対申し入れ


 米国艦船「LASSEN(ラッセン・DDG82)」(9,100トン)が、2月4日(月)、小樽市に寄港を申し入れたことに対して、市民団体や労働団体などから入港拒否の要請が相次いでいる。
 米空母に反対する市民の会は、1月21日(月)に市役所を訪れ、寄港拒否の要請書を提出。「民間港への軍事艦船の入港を『経済効果』として評価していることに、これまでの小樽市の軍艦入港問題への姿勢が変わっていくことを危惧している。小樽港の港湾管理責任者である小樽市長は、憲法と地方自治法と港湾法の精神を遵守し、米海軍第7艦隊所属ミサイル駆逐艦「ラッセン」の寄港要請を拒否するように」と訴えた。
kikoukyohi.jpg また、23日(水)には、連合北海道小樽地区連合会、後志平和運動フォーラム小樽連絡会、民主党北海道小樽支部、民主党・市民連合議員会の4団体10名が市役所を訪れ、「米ミサイル駆逐艦『ラッセン』小樽港入港に反対する申し入れ」を提出した。
 連合北海道小樽地区連合会・磯野康昭会長は、「核兵器搭載可能なトマホークを装備できる状況の中で、小樽市は、非核平和都市宣言を行なっている。目的は友好親善であるが、商業都市小樽には軍艦は似合わない。例年に比べ雪が多く、港湾業務への影響も懸念され、この週末の雪で道路状態も悪く、米艦船の寄港に伴って、道路を抜きにして除雪作業に入るようなことがあれば、市民の理解は得られない。是非、小樽市として入港しないよう要請してもらいたい」と述べた。
 貞村副市長は、「対応としては、核兵器搭載があるかどうかを確認し、商業港なので他の船があると断ることになる。市としても今までどおりのルールで行いたい」と答えた。
 後志平和運動フォーラム小樽連絡会・寺岡文明代表は、「小樽港は商業港で、港すぐに街が広がり観光地となる。万が一軍艦が入ってくると想定外のことが起こりうる。武器弾薬を積んだ軍艦が観光地の目の前の港に停泊しているのは非常に危険なこと。昨年10月のアメリカ兵の犯罪や不祥事が多発。第7艦隊の駆逐艦が来るということは、安心安全な町づくりや市民ニーズの多様化から考えると、小樽市として3つの安全基準の他に市民の安全を守る点からも話が必要」と話した。
 欠席した中松市長へ斉藤博行市議は、「中松市長は市長になって初めてのことで、新谷市長も山田市長も、小樽方式の対応をしながらも結果として入港を認めている。軍艦が主催するレセプションや小樽市が歓迎するような行事には参加していない。避けてもらいたい。クルーズ船と軍艦は違うことを、くれぐれも小樽市民の気持ちとして伝えてもらいたい」と話した。
 民主党北海道小樽市部・池田隆一代表は、「親善が市民に悪影響を及ぼしかねない。厳しく米軍や領事館へ要請してもらいたい。市民が迷惑を被ることになりかねない。市民の安心安全が最優先されるべき問題として対応をお願いしたい」と訴えた。